2005年クラスオリエンテーション号4月11日発行

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一面

4月4日新歓フェスティバル盛況に!

弁償なら、いくらでもする!

学生自治会執行部が生協学生委員会への抗議文 

二面

教科書検定と常任理事国入り

独島=「竹島」問題

4月4日新歓フェスティバル盛況に!

開催2年目で新歓期のビックなイベントに成長

 去る4月4日、富大キャンパスにて新入生歓迎フェスティバルが催され、500名以上の新入生が参加し、大成功を収めた。
 前日まで雨が降っていたため、天候が心配されたが、当日は昼から青空が広がり、予定通り自転車駐輪場では音楽系バンドのライブ演奏や体育会系クラブの演武などが行われた。また、学生会館では各文化サークルやサイクリング部などが展示を行い、多くの一年生で賑わっていた。
 午後からのサークル紹介に先立ち、午前中には黒田講堂で新入生歓迎ガイダンスが学生諸団体の主催で催された。各学生団体の活動紹介とレクレーションがとりおこなわれた。
 はじめての大学でのイベントと言うことではじめ緊張していた新入生も、大学祭実行委員会のビンゴゲームにリラックスした様子も見られた。ビンゴゲームでは女子学生2人に図書券とうまい棒90本が贈呈され、ビンゴリーチだった20名ほどの新入生にもうまい棒が振る舞われた。
 夕方からは岩波新書で「豊かさの条件」などでロングセラーを続ける暉峻淑子氏が講演を行い新入生に競争社会の問題性を資本主義システムの問題として易しく解説された。
 今回の新歓フェスタは昨年から始まり、今回で二回目になるが新歓期の大きなイベントとして成長した観がある。昨年に比べて参加サークル数、及び新たに体育会系サークルの参加の増加がその事を示している。また、午前中の学生団体ガイダンスで学生団体の活動などが紹介され、大学祭や学生自治会などがわかりやすく紹介された。今後さらにサークル間の連携と団結力で大きなイベントに成長することを祈るばかりである。この勢いを大学祭に引き継いで、大いにサークルやクラブなどキャンパスの学生活動を盛り上げていきたいものだ。
 今回は成功した新歓フェスタだが、駐輪場での音楽系サークルの演奏中に大学当局の妨害があった点は残念きわまりない事態であった(別掲記事)。
ことの真相は、MMSのライブ演奏中に学生課の堀田学生課長が楽器演奏に使われていた電源をコンセントから抜き機材を壊したのである。コンセントを抜けば演奏を止めるであろうという子供じみた行為である。今後こうした大学側の行為を許さず、毅然とした対応をしていかねばならないであろう。
 とにかく、主催者と参加者のみなさんお疲れさまでした。

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弁償なら、いくらでもする!
〜機材破損に開き直る堀田保学生課課長〜

「昨年は駐輪場は使用していない。音も出すとは聞いていない」と言って3番教室入口横のコンセントからプラグを抜いた堀田保学生課長。実際は昨年も駐輪場ライブは行われている。今年は駐輪場と電源使用届を出していたにもかかわらずこの事態である。MMSの演奏が一部途切れたため、確認しに行った場面だ。機材が壊れるから止めるように求めると「弁償ならいくらでもする」と開き直り、自身の行為への反省の弁は見られなかった。大学側には協力的な態度が求められる。

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学生自治会執行部が生協学生委員会への抗議文

 去る4月5日、学生自治会の執行部は、生協学生委員会に対し、学生自治団体への中傷に抗議する文書を提出した。
 内容は4月1日に生協学生委員が新入生を学内案内中に、「ココが体育会です。それから学生自治会というのもあるけどそれは任意だから」と説明したという。これらの他団体への誹謗中傷は生協学生委員会が繰り返してきた主張であるが、この謝罪と真相究明を求めての抗議だとしている。
 ご存じの通り、富大の学生団体は全員加盟制である。大学側が90年代から一方的に「任意」と主張しはじめる姿勢に学生委員会側が明確に立場表明するものであり、容認できないものだ。直ちに釈明を求めたい。

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教科書検定と常任理事国入り
〜強まる国家主義の核心は?アジア諸国との真の友好のために〜

 来る4月15日、大学祭実行委員会、学生自治会、新聞会の主催で高嶋伸欣氏(琉球大学教授)を招いた新入生歓迎講演会を開催する。その講演会を控え、本号では『教科書検定』『常任理事国入り』と『独島=竹島問題』について考察してみる。
 なお高嶋氏は「教科書問題」では、第一人者的な位置で活躍している方だ。新入生の皆さんが参加されることを願う。

4月9日、北京の日本大使館に対し、学生らが投石などを繰り返して、日本の国連常任理事国入りと「新らしい歴史教科書」の検定合格に抗議した。これまでも中国各地で散発的に行われていた抗議行動が首都北京にまで広がったものだ。
この抗議行動の背景には、日本国内で扶桑社から出された「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)が編纂した歴史、公民教科書が4月4日に検定合格したことがある。この教科書は今までの歴史教科書を“自虐的”だとし、日本人としての誇りを取り戻すために日清・日露戦争から続く日本のアジア侵略の歴史を「解放戦争」として美化するものだ。例えば南京大虐殺を否定的に記述し、日本軍軍隊慰安婦問題などは無かったとし、特攻隊で亡くなった若者を美化し、日本人が受けた被害すら記述していない。広島・長崎への原爆投下による犠牲者数すら記述していないのだ。しかも歴史観の根本に天皇制を据え、神武天皇を実在する人物として描きあげている。
 公民の教科書では日本国憲法を「世界最古の憲法」と誹謗し、憲法「改正」を公然と主張し、個人より国家を上に置き、その一員として「国益」を優先する立場と国家への忠誠心を強調している。またジェンダーフリーを敵視し、男女共同参画社会を否定的に描き、家族への帰属意識を強調している。男女平等や子ども、弱者の権利や人権を否定する立場に貫かれている。したがって、この教科書は、戦前の「教育勅語」への回帰を狙う教育基本法の改悪と一体のものであるといえよう。この目指す道は、新たな戦争を担う愛国少年づくりではないのか。
 しかも、01年に全国で採択を拒否されたことに対して、今回「つくる会」側は不当にも昨年7月の段階で約70冊もの検定本を秘密裏に流し、採択に向けた工作を行っていた。しかも文科省はこの事実を把握していながら、実効性のある措置をとらなかったという。
 こうした教科書を文部科学省がお墨付きを与えてしまったのだから、中国や韓国を始めとするアジア諸国の民衆が怒るのはもっともである。しかも、釣魚島=「尖閣諸島」問題や独島=「竹島」問題で領土的な拡張主義が煽られている中で、さらにここに来て国連常任理事国入りへの動きが急ピッチで進んでいるのであるからなおさらである。今年の7月に全国各地で教科書の採択に向けた動きが進む。私達日本人に求められていることは、単なる歴史認識の問題として扱うのではなく、「つくる会」教科書の採択をさせないことではないか。

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独島=「竹島」問題

 慶尚北道鬱陵(ウルルン)郡に属する火山性の岩礁群である独島は、歴史的にも国際法上も朝鮮固有の領土であるといえよう。その独島を政府は、強引に「日本固有の領土」と主張、繰り返している。
 島根県議38人中35人が参加する「竹島領土権確立県議連」が提案した「竹島の日」制定条例案が3月16日に賛成多数で可決した。それは1条で「竹島の領土権早期確立運動を推進、世論を啓発するため」(趣旨)に2月22日を竹島の日と定め(2条)、趣旨に沿った施策実施を県の責務(3条)とした3条から成る。
 1905年1月28日、日本は独島を「竹島」と名付け「本邦所属」とすることを閣議決定した。それを受けて島根県知事が島根県告示40号で「自今本県所属隠岐島の所管」と公示する形で、歴史上初めて「日本領土」に編入した日が「2月22日」である。
 1905年当時、「朝鮮は日本の生命線」と称した日本が、朝鮮半島を舞台にロシアとの帝国主義的戦争を繰り広げていた(日露戦争)。前年の2月には侵攻した日本軍を背景に朝鮮政府に「日韓議定書」を強要した。続く8月には「第1次日韓協約」を強制し、政治顧問を送り込んで内政を掌握、日本人の土地所有も合法化する。そして05年11月には朝鮮人民が亡国条約と呼ぶ「乙巳(ウルサ)保護条約(第2次日韓協約)」で外交権を奪った。そして1910年の韓国併合へと行き着くのである。
 05年の独島領有宣言こそ、日本が帝国主義的侵略戦争に踏み込んだ、まさにその時だった。独島問題を帝国主義の領土拡張、他国領土略奪の侵略の歴史としてきっちりととらえた時に、今回韓国側から猛烈な反発が起きていることを理解することができるだろう。
 韓国の労働組合のナショナルセンターであるところの民主労総は3月17日に次の抗議声明を発した。
 「1905年乙巳侵略犯罪の反省どころか、帝国主義を復活させて朝鮮半島に対する再侵略を始めた日本に対する憤怒であり、この状態になるまで守勢的で、微温的な対処で日米外勢の状況伺いに汲々(きゅうきゅう)としてきた歴代の韓国政権責任者たちの事大亡国的な姿勢に対する憤怒と糾弾だ」「(日本は)最近の平和憲法改正の動き、ピョンヤン宣言に反する対北朝鮮敵視政策の持続といった軍国主義的妄動を即刻中断すべきだ。また米国も、東北アジアと世界に対する軍事覇権戦略を続けることなく……朝鮮半島60年の占領をすぐに終わらせるべきだ」
 私達は、アジアとの友好な関係のために、戦争につながる一切の動きに目を光らせねばならないであろう。

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