キャブのセッティング方法
<基本編>


掲示板などでもよく見かけますが、初心者の方でキャブの調整(セッティング) の仕方が分からない・・・。と言う方が結構いますよね。カブ系のエンジン・キャブをいじるなら まずモンキー系の改造本を見ると良いです。勉強になりますから。 これを見ずに「??」と適当に触っていても話になりません。 でも基礎は同じなのでせっかくなのでここで載せてみたいと思います。

FCRやTMRのような特殊なレース用キャブは当ページを見てもあまり参考になりません、あしからず(笑)。

「それでも燃調が出ないぞ!」「燃調がおかしくて壊れた」という苦情は一切受け付けません。 キャブセッティングは「チューニング(=調律)」であると同時に、いわゆる「改造」ですから。


■その1:用語■ これを知らないと何もできません。


(1)メインジェット
(2)パイロットジェット(またはスロージェット)
(3)ジェットニードル
(4)クリップ位置
(5)スロットバルブ

(6)アイドルストップスクリュー
(7)パイロットエアースクリュー(エアースクリュー)

■(1)メインジェット:アクセル全開付近の燃料の量を決めます。
例えば、「♯85」と表され、これは85番と言います。 数字が大きければ燃料が濃くなり、逆に小さいと薄くなります。

■(2)パイロットジェット: アイドリング付近の燃調を決めます。
ノーマルの原付にはこれが固定式になっていて 変更できないのがほとんどです。社外品のキャブや、原付以上の2輪はこれは普通に付いています。 これも#35などの番数で表されます。

■(3)ジェットニードル: アクセル中開度付近の燃調を決めます。
ジェットニードルのセッティングと言うと、ほとんどの場合(4)のクリップ位置の 変更の事を指します。しかし、本来はこのニードル自体にも番数があって、 テーパー(針の鋭さ、角度)などの違いにより燃調を変化させます。 ここまでさわるとなると、上級者向けのレベルです。 普通は変更する必要がほとんどありません。

■(4)クリップ位置:(ニードル段数) アクセル中開度の燃調を決めます。
このクリップの位置を上下に変化させる事により、 セッティングします。左上の図の中に、拡大図があります。 クリップを上に付けると燃調が薄くなり、逆に下に付けると燃料が 濃くなります。

■(5)スロットバルブ: 混合気を発生・制御させる所(この周辺を「ベンチュリ部」とも言う)
ここはアクセル本体です。 これを閉じると止まり、開けると回転が上がります。
ちなみに、 ここの部分の吸気口断面面積がキャブレターの大きさを示します。例えば、 20φ(20パイと呼ぶ。)、24φのキャブがあれば、24φの方が 大きい事になります。 これが大きいと最高主力は上がりますが、逆に 低速側がパワーダウンしたりするので エンジンの仕様に合った口径のものを選ばなくはなりません。

■(6)アイドルストップスクリュー:アクセル全閉時の 回転数を決めます。
ここは燃調にはほとんど全く関係有りません。 このネジを締めるとアイドリング回転数が上がり、緩めると アイドリング回転数が下がります。エンストしないように調整しましょう。

■(7)パイロットエアースクリュー:アクセル全閉付近の燃調を決めます。
右上の図に示してありますが、ここはパイロットジェット(スロージェット) から出る混合気の空気の量を決めます。このネジを締めるとアイドリング付近の燃調が濃くなり、 緩めると薄くなります。一般に、これを一番締めた(力をかけすぎると傷が付くのでほどほどに) 状態から1.5回転戻しが標準とされます。これを3回転戻しても混合気が濃い場合には パイロットジェット番数を下げます。逆に、全閉〜1/2回転戻しでも薄いときには パイロットジェットの番数を上げて調整します。

 

■その2:役割■ 各パーツの作用領域イメージ


およそこんな感じです。キャブレターの違いやエンジンの改造仕様によって異なってきます。




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