キャブのセッティング方法
<燃調編>


■その3:セッティング■

ここで載せるのは基礎ですが、応用していけばきっとセッティングが出せると思います。 ただし、いきなりレース用のキャブに挑戦するのは止めましょう(笑)。多分泣きますから。 カブ系エンジンでしたら、ボアアップ80〜90cc前後のエンジンだとケイヒンPC20キャブで勉強すれば 一番良いと思います。

■その4:燃調?■

燃調とは、混合気の空気と燃料の割合を調整する事で、エンジンの性能を左右する大切な事です。 燃料が多くても少なくてもパワーは出ませんし、薄いと最悪の場合エンジンを壊します。 もし、これから自分でセッティングを出すのならば細心の注意を払って取り組みましょう。

この調整は、先ほど説明しました各パーツで調整していくのですが、 下の図を見ての通り、アクセル開度の違いでそれぞれのパーツが異なった対応をしているのが分かります。


■その5:燃調が濃い?薄い?■

燃調が「薄いのか」、「濃いのか」を知る事は本当に大切な事です。
とりあえず、「薄い場合の症状」と「濃い場合の症状」を下に示します

■薄い場合■

●中低速:
・アイドリングで、ややスムーズであるが力無く回転していて、ちょっとした事でエンストする。
・走行中にアクセルを少し早めに開けると失火(プラグが点火してない状態)したように ブーン(トーン下がる)と回転が落ちる

●高回転:
・回転は上がるが力無く回る。
・アクセルに回転が全く付いてこないで失火する

●その他:
・プラグが白い(下の「余談」も参照)
・パンパン(ポンポン)とマフラーから音がする(アフターファイアー)。濃いときにも出るので両方疑うべき;;
場合によっては吸排気バルブのカーボン堆積や電気・点火系の不具合も考えられます。
・薄いのは、ジェット類の「詰まり」が原因であることもあります。 長い間、エンジンをかけないとガソリンが劣化してガム状の物質(変な臭いがする)に変化して 詰まってしまいます。たまにエンジンを掛けた方がよいと言われるのはこの為でもあります。

 

■濃い場合■

●中低速:
・アイドリングで不安定になり、ボコボコ(水でも吸っているような感じ)という。
・アクセルを開けても失火しないが、回転が上がらずにボコボコと苦しそうになったり、 エンジンのトルクはあるが回転の上昇が鈍い。

●高回転:
・トルクはあるような気がするのだが、回転の上昇が鈍い
・アクセル全開でボコボコという

●その他:
・プラグが真っ黒、あるいは、排気ガスが黒い。
ちなみに、白い排ガスは燃料が完全燃焼した時の水蒸気(これはOK!)で、
青白く嫌な匂いの排ガスはオイルが燃焼室に進入した時に出る(要オーバーホール;;)。
・キャブ側からパーンと爆発音がする(バックファイアー)。←バックファイアは非常に危険です。最悪出火するので気をつけてください。
・濃い場合でもアフターファイアが出る。(アフターファイアは紛らわしいですね;;)

 

 

●余談であるが・・・・
プラグの色はあくまで目安である。 プラグは、プラグ番数(=熱価)と燃焼室の温度で白くなったり、黒くなったりする。つまり・・・。
たとえば、ノーマルのエンジンでNGKの6番が指定されていて、ちょうどキツネ色の焼け具合 だったとしよう。これに高温対応形の8番を入れたとしたらどうなるか。 当然真っ黒(とまではいかないが)である。最終的に、これでベストの燃調だ!と判断した時に、 ようやくそれに見合ったプラグを入れる方法もまた然りなのだ。
ちなみに、普通はカブ系エンジンならノーマルはNGK6番、ライトチューニング〜ヘッド交換7・8番 、フルチューン7番以降・・・といった感じになる。

 

おまけ:キツネ色サンプル

モニタや環境によって色は多少異なりますが、およそこれぐらいがGOOD!!




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