< アンテナシュミレーションに思うこと >
                                2004-12-14


 14年前から(1990年)2エレHB9CVの製作を経て3エレフルサイズ(ワイドスペース)に
 至りましたが、初めてシュミレーションを使用してその通りに製作してみました。
 調整方法はいつも通り、シュミレーションに頼らずに30m上空でカットアンドトライと
 しました。

 シュミレーションは紹介を受けた2つのシュミレーションを使用しました。
 では、その2つを使って同じ数値を入力した場合に、Aのソフトで最高の値が出ても、Bの
 ソフトでは、あれ〜というぐらいの数値とパターンしか出ないんです。
 では、項目を設定して考えて見ましょう。


 < SWRについて >

 ・A,Bどちらのソフトを使用してみても、SWRはほぼシュミレーション通りになって
  いることがわかります。
  ただし、色々な地域、色々な高さで実験したわけではないので断定は出来ません。
  どのくらい違うの? ということになってきますと、たとえばシュミレーションでSWR
  が、(1.6)と出た場合、アンテナを製作して30m上で測定すると、現在の3エレで
  10回程度パターンを変更しましたが、(2.2)になったのが一番悪い値でした。
  何故か、ドンピシャ!になったことはありません。
  色々な要因が考えられますよね。 私の作り方がまずいのかもしれませんしね。
  でも自作なら当たり前の値でしょうね。
  
  調整についてですが、メーカーはアルミの5mmパイプを使ってヘアピンを作っています
  が、私は皮膜のIV線をつかってマッチングをとっています。
  長いときは、10cmぐらいの大きさでループにしてブームに止めています。
  でもここで注意です。

  ループを作った後、必ずもう一度SWRを測定してみましょう。
  少しの位置の違いで、(1.0)だったのが(1.2)ぐらいまでは動きますから。
  (1.0)のポイントでテーブでグルグル止めておきます。


 < エレメント長について >

 ・エレメントの長さですが、巷ではいろいろと話を聞きましたが、私はラジエターRA以外
  の長さはシュミレーションの通りでよいと思います。
  ただし、RAだけは皆さんが言われるように、少し長めに出る傾向がありますので私は
  シュミレーション寸法から、30cm程短いRAを製作して、あとはバランから給電部に
  伸びるひげでエレメント長を調整する方法をとっています。
  注意点は、ひげはしっかりと固定すること(雪の重みで接点部が切れることもあります)


 < パターンについて >

 ・パターンですが、AとBの二つで製作しパターンを見てみました。
  あくまで、一つの基準信号に対してビームを振ってフィーリング測定ですけど。
  フロントゲインはどの作り方をしてもあまり変わりないでしょう。
  しかし、FB比に関してはあまりぱっとした値は出ませんでした。
  これは、今でも実際にエレメント長、ブーム間隔を変更して自分の思い通りになるよう
  調整しています。
  でも、ある程度はシュミレーション通りに出ますからそのままでも問題ないと思います。
  自分では、このクリチカルな調整が微弱信号をGET出来ると思い込んでいますので。
  でも大きいアンテナなのでエレメント長を変更するにしても、1時間30分はかかります
  体力勝負なんですよ。







  



7MHZ ワイドスペース フルサイズアンテナ 製作レポート      2004/12/12   

  さてこれが調整後の大体のパターンだと思います。 今まで自分のアンテナのイメージをFB比を第1に考えて製作してきました。2エレのHB9CVのときにも、あと数センチ切ったらフロント、バックが入れ替わるまで追い詰めてみました。JF1IST 藤原さんにDUからパターンを見てもらったときに 「おいおい、POWERゲイン絞ってんじゃないの?切れてるよ」と言っていただきニヤっとしたことを思い出します。 CQDXを出すことに重点を置くとすれば、3エレではFB比はそこそこにしておくことが、あらゆる角度からの信号を逃さないという点では大切なことと思います。 もちろん上のパターンでは30度違うと一気に信号が減衰するわけですから、330度EUに向けていて270〜300度のアフリカが聞こえないのは致命傷なんです。またFB比にこだわり過ぎると、飛びに関しても悪くなることも実証済みなんですよ。現在は半値角もこのぐらいかと思います。
 左のパターンが当初思い通りに製作してみたものを パターンに似せてエレメントを設定してみたものです。イ ンピーダンス、SWRの値は全く無視して考えてください 。 半値角が随分狭いことに気付きます。 下のパター ンと比較してわかるように、実際の運用で30度ビームを 動かすと一気に信号は減衰し始めます。 過去に友人 の21Mhz7エレを使用したときの感じにとてもよく似てい ました。 実際のオペレートではFB比が悪いせいもあり 、また打ち上げ角が低くパターンの2ndプローブが低く  出ているので国内はとても静かです。 でもDXで弱い 信号を受信するときにはフロントゲイン不足(対FB比) を感じました。CQDX!と声を出すには 「おい、呼んで るぞ〜」と声が聞こえるのがおちではないでしょうか。