おわら風の盆 速報

平成14年9月4日(水)の八尾町 
                
9月4日  午前零時半、すっかり涼しくなっていました。この夜は天満町から入りました。
      天満宮での輪踊りが終わって休憩に入るところでした。

      下新町は八幡社舞台前で輪踊りをしています。地方の人も接客に忙しかった主婦
      の方も各自の浴衣で今宵は最後のおわらです。1時過ぎに一旦休憩に入りました。

      その後、今町を通ると公民館前でここも輪踊りを楽しんでいます。一般の人も
      やはり最後のオワラを楽しんでいます。まだ沢山の観光客が見ていますが。

      西町通りにでました。すごい人垣です。
      西町青年団が地方なし、カセットではありますが、隊形踊りをしています。
      夫婦踊りでは一際声援が飛んでいたのには言うまでもありません。
      力強く勇壮な男踊り、やさしく可憐な女子新踊りと西町の踊りは際立っています。
      彼らに疲れは無いのでしょうか。ひと通り終わって、その緊張をほぐすかのような
      叫びのパフォーマンス。一升瓶のラッパ回し飲み。
      これには観光客もビックリで目が点になっています。
      どうやら『うるさい』って誰かが注意したのか急にやめましたが・・残念です。
      これがオワラの中でも地方と離されて彷徨う踊り子達のうっぷん晴らし。
      20分間、緊張の連続での踊りの後の叫びはストレス解消のようなもの。さらに元気
      を呼び起こす起爆剤のようなもの。かわいそうですよね。

      その後、少し上手に移動してパンを売る店前で、にわか店員をする青年たち。
      『おいしいパンいかがですかぁ、全部売り切れたらおわら踊りマース』実に楽しい
      光景でした。人垣は増えるばかりです。

      さて、鏡町支部の一行は自町を出て上新町の合同坂交差点で休憩中。その後は祐教寺横から
      会館前まで流して、休憩です。
      上新町の本隊は上新町通りを最後まで下り、鏡町へ入って公民館前で休憩です。

      午前2時半、西新町衆は自町の通りを上っています。そろそろ有志が自町を抜けて招きの声
      が掛かった町へ遠征タイム。歌い手の一人が一団から離れて諏訪に消えて行きました・・・。
      午前3時頃、東新町の上手からゆっくり坂を下りてみます。まだ観光客が沢山残っていました。
      諏訪町本通り出ましたが、人の多さを嫌い、再度、祐教寺の前など裏通りに出ると、2つの
      グループが静かに流しを楽しんでいます。

      午前3時半、諏訪町本通を流して下りてきた鏡町一行大軍団に付きます。
      天満町の桐谷親娘もゲストの歌い手として付いていました。この衆にも沢山の観光客が後に付き
      大変な混みようですが、やはり最終日。最悪でもなかったです。
      一旦、城ケ山公園入り口で休憩。毎年ここで飲み物などを飲む為、店を開けてもらいます。
      15分ほど休み、そこから上新町通りを渡り、合同坂を下ります。広い通りでは踊りの一行も圧巻
      青年団、ベテランと最後を締めくくる、正に町中総出の町練り流しです。
  
      旅館北吉前から伸びる通りへ右折し、鏡町へ吸い込まれて行きます。
      北吉前を通り、ゆっくりと進みます。少し明るくなってきた通りですが、淡いピンクのボンボリは
      それを見守るかのように立っています。
      公民館前にはすでに、観光客で丁度良い位に満員。階段からの観光客から待ってましたの拍手。
 
      輪踊りの形で、歌い手が順に前に進み最後の歌声を発します。次第に三味のテンポがゆっくりと
      なり、やがて全員で終わりの囃子の合唱です。
      『浮いたか瓢箪軽そに流れる・・・』 午前4時50分、いつもよりチョット早くお開きになりました。

      その場はまだ余韻を楽しむ者、階段に座ったままの人、帰宅を急ぐ人などザワザワ。
      今年も様々なオワラがありました。・・素晴らしかった最終日、珍しく雨もなく終わりました。

      なんとこのあと、15分程して公民館で休憩していた地方衆。まだ余力の残っていた有志が再び
      桐谷親娘の歌い手も交えて流しに出たとのことです。桐谷正治氏の天満町(コクボ)おわらが
      鏡町の通りに響き、人の少なくなった通りに冴え渡ったことと思います。娘さんは『改めて
      父の偉大さに涙がでました』と後日、教えてくれました。どうやらこの時、本当のオワラが彼女に
      入り込んだようです。きっと一番の感動を味わえた一瞬だったことでしょう。ヨカッタね。

      私は残念ながら帰宅した後の出来事。残念で残念でなりませんでした。

      そして毎年恒例となっている、八尾駅での『見送りおわら』。午前6時頃からは、駅もこれを
      見る人でいっぱいだったとのこと。

      こうして今年のおわらは終わりました。八尾の方にはこれから後片付け、そしてゴミ掃除。
      大変だったことでしょう。お疲れさまでした。


平成14年9月3日(火)の八尾町 
                
9月3日  昨日も暑い。しかし夜はすっかり秋の風涼しい。
      午前1時、下新町は八幡社踊り場で輪踊りを踊っていた。
      天満町青年団の衆が叫びながら自町を出て坂を上へ上がってゆく。
      中心部の混雑のため眼鏡橋たもとで、警察が車両の進入を止めている。

      1時30分、今町支部は公民館前で輪踊り中。
      鏡町衆は自町を出て上新町の祐教寺横から曳山会館前まで流してきて
      2時、休憩に入った。複数の町の有志が西新町の裏を流してゆく。

      2時10分、東新町衆がゆっくり自町の通りを上がっていった。
      この頃、諏訪町一行は通りを下まで流し2時半に休憩に入った。
      どうやらうるさい観光客に場を壊されたようで歌い手が嘆いていた・。
      上新町衆は自町の通りを下りながら流して左折、鏡町へ入っていく。
      どの町も町の浴衣を着れなくなったベテラン勢と現役踊り子が混ざって
      地方の前や後について踊ってゆく。

      3時、天満町は公民館で休憩中。時折通りは車が通るが、人影もまばら。
      3時20分天満宮前から、三味線4人、胡弓1人、歌い手4人に男子の踊り手、
      女子の踊り子で通りを上に下へと流す。

      3時55分、下新町の男女青年団が来て合流。4時20分に公民館前まで来て
      休憩に入った。踊り足りない下町若衆。休憩して話が付いた。

      4時27分、天満宮入り口に構えた地方、その前、道路片側を使って隊形踊り。
      下新町の男踊りのあと、女子の新踊り秋・冬。独特の色鮮やかな町浴衣が
      映えます、続いて天満町の夫婦踊りとつづくと、美男、美女の二人に、
      ヤンヤの声援が飛びます。素晴らしい踊りでした。

      4時39分に終わって彼らは丁寧に挨拶し、天満町から声援ビーム?を浴びて
      満足した様子で自町へ戻って行きました。

      日中の残暑から一転、涼しい明け方。心地よい風が寒い位になってきました。
      さて、今夜限りの風の盆です。2日の人出は新聞発表で約7万人。

平成14年9月2日(月)の八尾町 
                
9月2日  昨日は38度を越す猛暑だった町も丁度よい心地よい風が街中を抜ける。
      午前二時前、鏡町衆は自町を出て、上新町通りを横断し諏訪へ流していた。

      上新町衆は通りの上手から数人のグループで下りてくる。
      別のグループは蔵波通りを30人程の踊り手を擁して西新町裏手へ上がりつつ
      ゆっくりと流してゆく。諏訪町や上新町は大勢の観光客がまだ残っている。

      流しに出た町内はひっそりしている。
      西町から下新町へ降りると坂の途中で、天満町の青年団が踊っている。
      力強い男踊りに大変な人だかりだ。

      天満町は通りを流していた。すでに交通規制解除の時間だが、上手の人の多さに
      警察が止めているので、まだ車は入ってこない。
      天満町通りを男子踊りを前に流しだす(2時20分〜3時25分、4時10分〜4時55分)
      時折車が通るが片側を使って町内の端から端まで往復。桐谷兄妹は頑張って
      いました。兄さんの歌は他では聴けない詩が次つぎと飛び出し、聴衆をうならして
      います。体調は悪い(仕事疲れ)ようでしたが、さすがです。4時55分に天満宮社で
      お開きとなりました。東の空は明るくなり心地よい西風が井田の川面を渡って
      涼しく感じます。今日も暑くなるようです。1日の人出は新聞発表で約13万人。
            

平成14年9月1日(日)の八尾町

9月1日 午前零時、月夜が素晴らしい。星がとてもよく見える。台風の影響か少し生暖かい風。
     風の盆は始まった。天満町はそれまで練習していたのか、一旦解散。後で来よう。
     下町の上手から三味と胡弓の音色が早々と聞こえてくる。通りは人影も無く、静かだ。

     5人ほどの衆だが平服でゆっくり下りてゆく。
     北日本新聞朝刊によれば昨日午後11時すぎから裏の路地を気のあった有志で早々と
     流していたようだ。

     西町公民館では皆が談笑。鏡町はすでに観光客が階段で出を待っている。女子の踊り手は
     自前の浴衣で公民館前に集まり、地方も集まりだしたところだった。
     
     上新町に出てみる。上手の方から地方衆がゆっくり流して下りてくる。その後は鏡町を
     回ったようだ。
  
     西新町衆は通りを上手へゆっくりと流し、その後ろを踊り子数人が各自の浴衣でついて
     行く。

     東新町は公民館で談笑中。天満町の青年団が訪ねていた。

     諏訪を下りてゆくと諏訪町衆が下から上がって来て、公民館前で一服のタイミング。
     ぼんぼりも無く暗い諏訪町で、本番のような町並みはまだ無い。

     諏訪町の入り口では澤田明、柴田力弥 の二人衆。聴衆は約30人程度。昨年と全く同じ。
     相変わらずの名調子でゆっくり通りを上がっていった。

     鏡町衆は鏡町公民館前から、男子・女子の踊り子を前に町内を流してゆく。途中から
     歌い手が入り、昨年亡くなった三味線の名手、長谷川宅前で追悼おわら、家人の涙に
     しんみり・・・・その先でももう一軒あり、公民館前でお開きとなる。

     その後、下り天満町へ降りる。二人の力強い素晴らしい男子踊りを前に歌い手一人で
     流している。神社前で一服となったのでそこを離れる。

     午前3時、月明かりは八尾の町を照らしている。無風だが時折暖かい風が。

     若手新人には、度胸だめしの夜だったのは昨年同様各町で見られた。

     フェーン現象で暑い日になりそうだ。今年は雑踏警備が厳しくなるとか。初日が日曜の
     ため前日から車で乗り付けている観光客も多く路上駐車などの取り締まりも厳しい。
     
     まだ町中はゴミで汚れていない。この町に今日どれだけの人が来るのだろう・・・

     風の盆は、こうして始まって行く。