これは、99年11月24日の「夕方音楽(ユーガッタミュージック)」に
達郎さんがゲスト出演した時のトークをできる限り再現したものです。
ON THE STREET CORNER 3の収録曲をBGMにしてお楽しみください。 J:陣内大蔵 Y:山下達郎

J:陣内大蔵がお送りしています夕方音楽、今日のゲストはお久しぶりの山下達郎さんです。
  どうも、お久しぶりです!

Y:どうも、御無沙汰です。

J:あの、僕はですね、前、以前ゲストに来ていただいてからは、ライブで楽しませていただいたので、

Y:あ、そうですね。その節はありがとうございます。

J:僕、久しぶりな感じはしないんですけど、この番組にはほんと、久しぶりに来てくださってます。
  今月の10日、ニューマキシシングル「Love Can Go The Distance」をリリースして、そして
  ニューアルバム「ON THE STREET CORNER 3」が明日リリースです。今日の夕方には

Y:今日の夕方には入ってます。あと1時間ぐらいです。

J:あと1時間ぐらいで店に並んでますよね。なんか、初回限定で色々ついてるんですよね?

Y:ま、得意のやつで箱入りですね。3方背ボックスってやつですね。

J:ここにありますけど。

Y:あとカレンダー。

J:カレンダーもついてるんですか!

Y:あとはインナーの写真が1ページだけちょっとカラーの部分がね、他のところとはちょっと版下が
  違うので、

J:違うんですか!?

Y:それの1ページだけで1部作るのと同じ手間がかかるので、それは初回しかできない。

J:なるほど・・・。

Y:セカンドからは普通のモノクロになるとか、そういう小技は。

J:小技を効かせながら。みなさん、その情報をゲットして、すぐですね、僕の番組が終わったら
  CDショップに行くように。ということでですね、今回の「ON THE STREET CORNER 3」、
  僕も聴かせてもらったんですけども、あの、なんて言ったらいいか、「極まれり」という
  感じがするんですけども。

Y:(笑)こんなもの、3までやりましたよね。自分でなんか、呆れちゃってるんですけど。

J:いや、コンサートの時にね、少し予告してたじゃないですか。3も今から作ろうかな、なんて。
  で、いつできるのかなって楽しみにしてたんですけども、僕もこれ、車で今、ラジオの行き帰りに
  聴いてますけども。

Y:あー、ありがとうございます。

J:声だけでこの1枚のアルバムを作ってしまった達郎さんにですね、ご苦労話とか、

Y:ご苦労話。

J:ご苦労話とか、秘密話を聞いて

Y:長いことやってますから、慣れてますからね。

J:そうですね。早速ですね、じゃあ1曲いってからじっくり話を聞いてみたいと思います。
  どの曲をいきましょうか。達郎さんから曲紹介を。

Y:今日はちょっと雨模様であれなので、それを吹き飛ばす明るい曲で、「Angel」というやつをひとつ。

−−−「Angel」オンエア中−−−

J:聞いていただきました、山下達郎さんで「Angel」。ということで、ま、あの、アカペラ、いわゆる
  声だけで1曲を構成する、で、その、バックコーラス隊も、メインリードも自分でこう、やってしまう。

Y:そうです。

J:まさに達郎さんしかいないアルバムなんですけど、

Y:ま、こんなこと、こんな酔狂なことをやるのは僕しかいませんからね。

J:ですよね。なんかこう、1曲全部聴き終わったあとに、僕、音楽としてこう聴いて、今までの達郎さんの
  既成概念を取り払って聴いて、あ、いいなぁなんて思ったあとに、でもこれ、作った過程を、僕も
  ミュージシャンの端くれなんで、作り方とか色々考えていると途方もないような感じになって来て、
  これ、作業の凄さたるや、大変だったんじゃないでしょうか?

Y:ま、20年もやりゃ慣れますよね。

J:どれくらい実際、時間かかったんですか?

Y:これは二月ちょっとです。

J:二月ちょっとで。もう毎日毎日。

Y:そうですね。

J:はぁ〜。

Y:3月ぐらいから一月ぐらいやって、それで9月にまた。それで7割ぐらいあげて、9月になったら
  歌入れその他、細かい所ですね。

J:歌入れっていうのはあれですか?いわゆるリード?

Y:リードです。

J:リード以外のことをこう、構築していって。

Y:ええ。

J:なるほどね〜。

Y:その前段階のあの、素材?リズムボックス入れたり、ピアノ入れたり、そっちの方が時間的には
  かかるんですよ。あと歌詞のリサーチとか、そういう方がね。準備段階の方が。選曲ですね。要するにね。

J:そうですね。この選曲もですね、もう50年代から60年代から70年代から、もう凄い選曲で、
  僕なんかもう、資料見てもわからないぞっていうね。

Y:いいんですそんなの。聴いて良ければ。

J:いやいやいや。質問がどんどん来はじめています。これは「ひみつのアッコちゃん」なんですけども、
  『達郎さんの歌声を聴いていると、「歌も楽器のひとつ」という風に本当に思うんです。声を
  大切にして下さい。』というのが来てますけども。

Y:ありがとうございます。

J:ま、声というのは最初の楽器ですよね、やっぱり。

Y:そうですね。ええ。

J:なんかこう、達郎さんのこの、ま、あの、真似したらすごくおこがましいですけども、「♪ボン」とこう
  一言でベースの役割をするわけでしょ?

Y:ベース的なニュアンスですけどね。

J:ニュアンスの。楽器だよなぁと思ったりするんですけどね。その、初めて自分のひとりの声で、
  音にしたのはいつくらいなんですか?

Y:高校の頃にね、テープレコーダーがまだスピーカー付きで、モノラルでね、こんな凄い安い
  バスガイドさんが持ってるようなマイクでね、入れるやつが昔はそういうのがテープレコーダー
  だったんですが、それ2台置いて、こっちのスピーカーにギターでまず歌入れて、♪アーとか入れて、
  それを出しながらそのスピーカーにマイクを近付けつつ、こっちで♪ア〜ってやりながら、

J:自分も横に口を添えて。

Y:サウンド・オン・サウンドってやつですね。それでビーチボーイズとかアソシエイションとか
  そういうのをやったのが最初です。

J:へぇ〜。じゃあもう、すっごく原始的なピンポンって感じですね。

Y:そうです、はい。

J:なるほどね〜。

Y:むちゃくちゃ原始的なやつです。

J:えーとですね、これは山形のK2から来てます。『達郎さんに質問です。ジャケットの今回の写真は、
  いつぐらいにどこで撮られたものなんでしょうか?』という。

Y:これはですね、ニューヨークの写真で、これは、伊島薫さんという僕の写真を撮ってくれている人が、
  若い頃に、まだプロになる前に、ニューヨークを撮りまくってた、それの写真から選んだやつを、
  キャンパス地にね、インクジェットで印刷してあるんですよ、これ。

J:いや、これね、足元を見るとスタジオが・・・。

Y:足元を見るとスタジオが見えるんです。

J:そうですよね。

Y:立ってる後ろに人が歩いてるんです。それを隠してるんですよ。(笑)

J:(笑)あ、ほんとだ。足がちょっと後ろに見えてますね。

Y:バーチャルなニューヨークです。

J:はぁ〜、なるほどなるほど。

Y:「オン・ザ・ストリートコーナー」っていうのはひとりアカペラだから、これ自体が
  バーチャルですからね。CGみたいなもんです。

J:なるほど。そういう意味も込めて。

Y:そうです。

J:なるほどね〜。これはじゃあ、何年くらいのニューヨークなんですか?

Y:これ76年のニューヨークです。

J:へぇ〜。なるほどなるほど。これは秋田県のナッキーからきてますが、『最近、達郎さんが
  気にいっている洋楽とか、もしくは曲とかありましたら教えて下さい。』

Y:気に入ってる洋楽。この二月、チャート追えないんですよ。スタジオ三昧で。どうにもなんないですね。
  あと一月したら聞いて下さい。

J:(笑)あと一月したら。なるほど。それからですね、タナカマサコ、でいいのかな?
  『作るのに手間と時間がかかりそうですね。このアルバムにはどのくらいの期間かかりましたか?』
  と、これはさっき聞きましたけども、『あと、どんな所がいちばん大変でしたか?』

Y:「いちばん大変でしたか。」

J:素朴な疑問です、という。

Y:あの、歌う所に関してはね、そんなにもう、20年やってっから、そんなに苦労しないんですけども、
  さっきも申し上げたように、歌詞のリサーチとか、キーを決める、テンポを決める。結局ほら、普通に
  アカペラっていって、無伴奏でコーラスをやる時って、4人5人でこう目を見合わせながら、
  さあ、せーのでいくでしょ、一発で。それをだから、あたかも全員、ひとりで全部やってる時に、
  あたかも一発でやってるように捏造しなきゃなんないわけですよ。だから、テンポを最初にどうするかって
  決めちゃったら、後に退けないでしょ?

J:もう変えられないですからね。

Y:半分くらい(やってから)、だ−、(テンポが)遅かったってよくあるんですよ。それをやらないために、
  ちゃんとしたテンポ、あとちゃんとしたキー。そういうやつの、そのデータを作るほうがむしろ。

J:でも、それはあの、アカペラを想像した上で、自分で何度も弾いてみたりとかしてる

Y:コンピューターです。今は。全部。便利な世の中になりました。

J:そうですよね。そのコンピューターを使って、何回もあーでこーで。

Y:やります。

J:テンポとかキーは。

Y:今、録音する前の段階でそういうの作れますから。テンポコントロールとか、こう、リタルダントっていう
  こうゆっくりになるところ、呼吸とか、そういうの、今はもうテンポデータって視覚的に見えますからね。

J:そうですね。グラフみたいなやつね。

Y:そういうんでできますから、今はほんといい世の中ですね。全然違いますね。昔はね。

J:あのー、それじゃあれですか?やっぱり今日はじゃこのテンポで打ち込んでみたら、1週間2週間、
  1ヶ月経ってみて、あーもうちょっと変えようかと、そういうふうにこう、変えたりしたことも
  ありました?

Y:いや、10回20回やって、

J:10回20回は・・・

Y:いや、10回20回重ねてって、遅かったらもう、だから、ボツです。捨てです。もう1回最初から
  やり直します。

J:捨てですか・・・?それ。なるほどね・・・。

Y:昔はよくありましたね。

J:じゃ、実際声を重ねてみないと、最初決めていたテンポからまた変わっちゃうこともあったんですか?

Y:それはアカペラだけに限らず、例えばリズムセクションでレコーディングする時、最近はリズムボックスを
  使って、そしてリズムボックスを聞きながらやりますよね。だから、テンポを最初に決めて、録ってみて、
  なんかダビングしたりして、少しいってくると、あーやっぱり遅かったなとか、早かったなとか、
  よくあるじゃないですか。

J:そうですね〜。

Y:コンピューターミュージックも、ほんとにありますね。

J:そうですね〜。そういう苦労がこの曲のあとに、いや後ろにあるわけです。山下達郎さんで、
  「STAND BY ME」聞いて下さい。

−−−「STAND BY ME」オンエア中−−−

J:陣内大蔵がお送りしています夕方音楽、後半に突入しました。達郎さん、どんどん質問が来ていますから、

Y:ずるずる来てますね。

J:ぶつけたいと思いますが、『選曲は、まりやさんと御相談なさいましたか?教えて下さい。』

Y:そんなわけないでしょ、あなた。

J:(笑)これは新潟のオクムラエイコさんから来てますけども、

Y:よっぽど恐妻家だと思われてるな。

J:(笑)でもあの、達郎さんは、このリリースが終わって、すぐまたまりやさんのレコーディングに
  入るんですよね?

Y:来週からもう、レコーディングです。

J:休む間もなく。

Y:妙に忙しいですね。

J:頭の切り替えがなかなか、難しいんじゃないですか?

Y:90年代の中頃になんか、空白で3年半ぐらい無駄にしちゃったから、それを取り戻すべく。

J:日々勤しんでいらっしゃるわけでございますが、

Y:********(意味不明のことを呟く^^;)

J:これは富山の「フランスパン」から来てますが、『達郎さんの声を聞いて息子が、「どうしてこんな
  凄い声が出るんだろうね〜」とつくづく申しております。』

Y:俺はゴジラか。

J:(笑)『この声を保つためにやはり腹筋とか鍛えておられるのでしょうか?』という質問が来てますが。

Y:全くなんにもしてません。

J:え、声のケアは別に何も?

Y:なんにもしてません。

J:そうなんですか?以前来てもらった時に、タバコをね、

Y:タバコをやめまして。

J:それで全てクリアですか?

Y:オールクリアですね。

J:やめようかなぁ・・・、俺も。

Y:やめた方がいいですよ。

J:「こたつで真ん丸」さんからも、同じようにですね、『良い声を保つ、良い方法ってありますか?』って
  いう。『私は最近、カラオケに行っても高い声が全然出なくなって困ってます。』

Y:カラオケ行き過ぎなんじゃないですか?

J:(笑)

Y:カラオケ、あんまりあれですよ、アルコールとか飲んでカラオケやるとダメですよ。声帯傷めますからね。

J:そうですよね。気がつかない内に声帯傷つけちゃうとかありますからね。

Y:いきなり、水泳と同じでちゃんと準備運動して行かないと、いきなりわーっとかって出すとダメですよ。

J:は〜、やっぱりじゃ達郎さんも歌う前に「フッフッフッ」って始めます?ある程度。

Y:ある程度はね、やります。特にこういうアカペラの時にはやっぱり15分くらいトレーニングして、

J:温めてから。声帯を。

Y:ウォームアップしてからやります。

J:へぇ〜、これは長野県の松本市、「パンダ」さんから来てますが、『山下さんって、動物が嫌いという
  イメージがあるんですが、ペットって飼ってらっしゃいますか?とても気になっていました。』

Y:犬飼ってます。

J:あ、犬飼ってらっしゃるんですか。

Y:もう17歳です。

J:あ、凄い御高齢じゃないですか。

Y:むちゃくちゃ高齢ですよ。

J:名前なんていうんですか?

Y:グーフィーっていうんですけど。

J:グーフィー。へぇ〜。

Y:もうおむつしてます。

J:おむつしてます。^^;犬猫派でいうと、達郎さんやっぱり犬派ですか?

Y:イヤー、犬も猫もそれぞれいい所ありますからね。

J:へぇ〜。

Y:猫の方がどっちかというと誇り高い動物のような気がしますがね。犬ってのはどうもなんかこう、
  愛想が良すぎて、そんなに隷属していいのかなというような感じがしますがね。

J:グーフィーもそう思われているのかな・・・?

Y:ウチの犬はなんか頑固者で、イマイチ人のいうことは聞きませんね。

J:聞かないんすか?^^;なるほどなるほど・・・。これは徳島市のオギノさんから来てますけども、
 『ライブツアーはいつぐらいになるでしょうか。』と。

Y:ライブね。まりやのアルバムが出来次第ですね。それ次第です。

J:大体こう、どれくらいかかるんですかね?

Y:夏前までには出したいという。

J:まりやさんの。

Y:はい。

J:じゃあ、それが終わってからまた。

Y:終わってから自分のアルバムどうするのか、ツアーどうするのかちょっと考えていきたいと思ってます。

J:じっくりと。

Y:ええ。

J:じゃあもう、情報が決まり次第すぐ知らせて下さい。またここで。

Y:働けど働けど・・・

J:いやいやいや・・・、これはですね、ペンネーム「ニクリンリン」から来てます。

Y:なんだそれ。^^;

J:『今私はテスト勉強をしています。』

Y:テスト勉強。

J:はい。『勉強の時は、どのようなMusicを聞けば良いのでしょうか。達郎さん教えて下さい。』

Y:音楽聞きながら勉強するんじゃねーよ、と言いたい所ですが、好きな音楽が良いと思いますよ。

J:(笑)好きな音楽が。

Y:凄い、答えになってないかも知れませんけど、僕は勉強しながらね、FENというアメリカのラジオ
  聞いて、こっちにビルボード、一月遅れのビルボード置いて、それで知ってる曲をこうチェックして、
  やってましたから。ちっとも勉強になりませんでしたけどね。そっちを勉強して、数学はどうなるんだと
  言う感じでしたね。

J:じゃあ、勉強しながらそれをチェックして、いつの日かそっちが本気になって。

Y:あんまりイケイケの曲だとそっちに気取られるし、あんまりリラックスするやつだと眠くなるでしょ?
  難しい所ですね。だから好きな音楽勧めて良いやら・・・

J:達郎さん、今では例えば、ま、あの、仕事と言うか、何か作業をしてる時に、BG的なものが
  あったりするわけですか?

Y:あ、僕はBGMは一切。

J:じゃ、シーンとした中で。

Y:シーンとした中でやります。

J:へぇ〜、じゃ、音楽の時はもう音楽を聞くだけ。

Y:だけです。

J:なるほどね。

Y:あの、本を読みながら音楽を聞いてもひとつも耳に残らないから、視覚の方が強いんですよ。

J:はぁ〜、あ、そうなんですか?

Y:聴覚よりも絶対に。全く読みながらとか、例えばパソコンで原稿を書きながらとか、後ろでいくら流しても
  全然。

J:入ってこない?

Y:入って来ません。

J:なるほどなぁ〜。達郎さんに質問、ばんばんまだ募集してますから、ファックス送って下さい。
  ちょっとアルバムの話にまた戻っちゃうんですけども、次にお聞かせするその
 「Love Can Go The Distance」、これは先にシングルとして出てますけどね、この曲はカバーでは
  ないんですね。

Y:カバーじゃないです。これはオリジナルだったんですけどね。これはあの、コマーシャルの
  タイアップだったんですけど、タイアップの計画が出た時には、これもカバーの予定だったんです。
  90年代の曲でね。

J:あ、90年代のカバーをする予定だったんですか?

Y:ええ、予定だったんですけども、「遠距離恋愛」ってのがテーマだったんで、これって曲が
  なかったんですよね。どうせ英語だから、じゃあオリジナルで作っちゃおうっていって、それで
  オリジナルになったんです。

J:そうなんですか。そういういきさつがあって。この曲、凄く僕好きなんですけども、

Y:僕も好きです。自分で。

J:いや、僕もそれくらい好きなんですけど、その、遠距離恋愛って言うのからイメージして。

Y:そうです。

J:あ、そういう設定がまずあって。

Y:そうです。

J:なるほどなるほど。

Y:こっちから色々アイデア出して、「LONG DISTANCE LOVE」とかね、そういうタイトルでね、
  僕の英語のパートナーでアラン・オデイと言う人がいるんですけど、僕の英語の曲は全部彼が
  書いてるんですけど、ロスアンジェルスに住んでるんで、彼にそういう候補を色々送ったら、
 「これっきゃない」って返って来たタイトルが「Love Can Go The Distance」ってタイトルで。
  なるほど、良いタイトルだ、って。

J:そこから。なるほど・・・。

Y:そうそう。それで、こっちのデモテープを音声データにして、mp3にして向うに送って、

J:最近そういうこともできるんですね。

Y:便利な世の中ですよ。彼がそれに、僕のデモテープに歌をのっけて、英語の詞はE-Mailで送って来て、
  で、音声データでまた送り返して来て、昔だったらロスへ行くか、じゃなきゃDATに録って宅配便で
  送るかで、それがしなくていいですから、具体的なコミュニケイトは全部文字で行けば、電話だと
  誤解がありますから、言葉もあれだし、文字で行けばいいし、実質的に曲書きが、やり取りで
  1週間くらいでできるんです、だから。いやー、便利な世の中になりましたね。

J:なるほどねー。

Y:ほんとにありがたいですね。

J:そういうふうな、それこそほんとにLONG DISTANCEでやり取りしてできた、

Y:そうです、はい。

J:この曲ですね。達郎さんから

Y:Job Can Go The Distance。(笑)

J:(笑)Job Can Go The Distance。曲紹介をお願いします。

Y:じゃあ、「Love Can Go The Distance」。

−−−「Love Can Go The Distance」オンエア中−−−

J:陣内大蔵がお送りしております夕方音楽、今日は山下達郎さんをお迎えしてますけども、できるまでの
  過程に色んなデジタルテクニックを使いながらも、最終的にはいわゆる肉声オンリーで迫ると言うですね、
  そこはひとつの達郎さんのこだわりと言うか、

Y:そんな大袈裟なもんじゃないですよ。

J:そうですか?

Y:ええ。

J:僕が例えば自分の声をちょっと取り込んで、コンピューターに、で、コンピューターで、こうさっきの
  テンポの話じゃないですけど、

Y:ピッチとか今変えられますからね。自由にね。

J:変えられますよね。と言うことをなさるんですか?って聞いたら、とんでもない!という。

Y:そういうズルは一切ないです。

J:そんなズルはしない、と。

Y:ほら、テープあげて、低いとこは出ないからね、テンポ上げて、ピッチを上げてとかそういうズルは
  全然なしなんです。この「ON THE STREET CORNER」っていうプロジェクトは。

J:ベース音をね、自分の声だけでやる時に、と言うことは、自分の歌う音域でしか

Y:やってません。

J:ですよね。

Y:でないとこはやりません。

J:ちょっとこのベース、一音低いとこが欲しいからちょっと加工して低くしようかとかいう

Y:そういうことはないです。

J:すごいなぁ・・・。

Y:基本的には、ライブが終わったあとにやんないとダメなんですよ。いちばん身体が鳴ってる時。

J:あー、なるほどなるほど。ツアーとか終わったあとに。

Y:こういう普通の時だとやっぱりロ−Eまで出ませんから。

J:はー。ファルセットまで合わせると、達郎さんは

Y:ジャスト3オクターブ。

J:3オクターブ。3オクターブだよみんな。「♪ド」が3回くるんだよ。わかんないよな〜。
  えー、これは栃木県の「シズカ」から。

Y:駅伝みたいなやつだな。「ド」が3回。

J:(笑)「ド」が3回・・・。ファックス来てますが、『アルバム発売にあたり、今日は「夕方音楽」に
  出てらっしゃいますが他にどう言うプロモーションの予定でしょうか?』

Y:予定ですか?えーっと・・・、

J:だいたい、アバウトでいいんです。

Y:1、2分じゃ言えませんが、新聞関係、雑誌関係今回ね、「COZY」の時よりも多いんじゃないかって
  くらいね、やらされてるんですよ。

J:そうなんですか?じゃあ、いろんな所に出没するわけですね。

Y:レコード会社がね、景気悪いんだかなんだか知りませんけどね、これでなんか事業計画稼ごうとか
  そういう世界でしょ。

J:(笑)そうなんですかね。でも、「COZY」の時も、結構どこに行っても「COZY」を見たじゃないですか。

Y:わかりません。だけど、自分が「絶対ここやんなきゃヤダ」とかそういうんじゃないんですよ。
  金魚のフンみたいに後ろからくっついてって、「次はここです。」とか。スイマセン。

J:じゃああの、どっか例えばあの、達郎さんに会える場所なんてのは。

Y:会える場所。忠犬ハチ公みたいですね。

J:渋谷に行けば会えるとか。そういう機会はないですかね?

Y:そう言われてもね。^^;じゃあ来週の火曜日にどこで、とかいうわけにはいかないじゃないですか。

J:よくほら、最近はちらっとプロモーションの時に地方に行って、突然ゲリラライブやったりとか、
  そういうニュアンスの

Y:やりたいですけどね、なかなかチャンスがないですね。

J:でも、気持ちとしては、達郎さんはそういうのやりたいたちですか?

Y:やりたいたちです。

J:突然言ってばっと。

Y:なんたって「ON THE STREET CORNER」ですから。

J:そうですよね。俺もそれが言いたかったんですけど。どっかでゲリラ的にやるのかなとか思ったり
  したんですけどね。ま、あの、そういう情報は達郎さんのレギュラー番組を聞いてればもしかして緊急に
  やるかもしれない?

Y:生だとね、おもしろい。この番組、生だからやっぱりリアクションがストレートに返って来るじゃ
  ないですか。しかも全国でね。それが凄く楽しいですよね。これね。
  
J:そうですよ。なかなか・・・。「今買った」っていう、「さっき買った」って言う。

Y:そうですか?おありがとうございます。お買い上げ。

J:マツザワスミレさんから来てますが、『いち早く、買いました。「3」の中で、達郎さんがいちばん
  思い入れのある、好きな曲はどれでしょか?』ま、どれもだと思うんですけども。

Y:全く決められません。

J:決められないですよね。

Y:全部好きなんです、僕。

J:ですよね。

Y:すげえ好きな曲ばかりでやったんで。

J:単純にいちばんこう、いちばんさくっとできたと言うか、

Y:さくっとできた。さくっとできた、難しいですね〜。

J:あの、なんかこう、スマートに終わったって言うのはありますか?

Y:やっぱ、歌詞がね、歌が寝てても歌える曲ね。さっきの「Angel」とか「Why Do Fools Fall In Love」
  とか「Don't Ask Me To Be Lonely」、歌詞がある程度、要するにメロディーの要素が頭に入っている
  曲はすぐできます。やっぱりあの、歌うテクニックが必要な曲、Four Freshmenのカバーの
 「Their Hearts Were Full Of Spring」、複雑なテンポのあれするやつはやっぱそれなりに集中力が
  必要になりますから、そういうのは大変ですけど。

J:寝てても歌えるんですよ。俺は

Y:あるじゃないですか。そういう好きな歌っていうのが。「♪俺は変わらぬ〜」そういうのって、寝てても
  歌えるじゃないですか。

J:歌えますよね。

Y:そういう曲がやっぱりやりたいじゃないですか。

J:そうかー。今日はですね、「ON THE STREET CORNER 3」を持って達郎さん、来てくれたんですけども、
  最後に、良かったらですね、リスナーの方に達郎さんからこのアルバムのメッセージをいただければと
  思います。

Y:というわけで、明日発売日でございますが、もうそろそろレコード店頭には並ぶ頃だと思います。
  初回限定3方背ボックス、カレンダー付き!よろしく。なんたって税抜き2500円、お買得!
  2625円。

J:(笑)いつからそんなことを・・・。

Y:割安感があるやつでございます。すぐ聴けちゃう。リピート何度でも聴ける。聴けば聴くほど味が。
  適当なこと自分で言ってますが。よろしくお願いしまーす。

J:今日はですね、色々話を聞けて嬉しかったです。最後はどの曲、いきましょうか?

Y:じゃあ、そのFour Freshmenの作品のアカペラ、自分でカバーしました、
 「Their Hearts Were Full Of Spring」、心には春がいっぱい。

J:また、ぜひ遊びに来て下さい。ありがとうございました!

Y:またよろしく。失礼しました。

−−−「Their Hearts Were Full Of Spring」オンエア中−−−

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