第55回国民体育大会 あいの風 夢のせて
2000年とやま国体
ヨット競技リハーサル大会 


救助部一同

 いやはや、リハーサル大会と行っても馬鹿にしちゃーいけない。9種目で200艇以上の船が狭い海面にひしめきあっての大会だ。来年の国体だったら各県からの選抜選手が出てくるが、今年はの個人のノミネートで出てくる。ことし始めたってえ素人や、海で乗ったのはこれが初めて何てのも参加しているかもしれない。我々救助部がこの混乱を乗りきる事が出来るだろうか?
 よって救助部は来年の国体本番と同じく大げさな陣容で望む。自衛隊の輸送艦「のと」を救助母船として、A・B海面6艇ずつの救助艇に自衛官と救助部員が乗りこみ、さらに指揮船、警戒艇として漁船6艇を借り上げる。
 自衛隊は仕事として参加しているが、我々は全員休暇をとってのボランティア。 発着水路部や運航部も沢山の船をチャーターしているし、陸上でも多くの人が参加している。もし金を払ってこのレースを運営するとすれば一体いくらかかるのだろうか。全くもってヨットレースと言うのは手間と人手がかかるものだ。
 
 新湊のレース海面はテトラポットや定置網に囲まれているために、ヨットが転覆した時は鬼門だらけだ。レースの2日前から配置練習をして、危険個所を確認する。
 熊本国体救助部からのアドバイスにより、無風で待ち時間が長い時には、選手(救助部?)のストレス解消として、救助艇によるトライアルレースを自衛隊司令に提案し、あっさりと了解を得る。 もっとも末木委員長からはヒンシュクを買う。
 夕方の部長会議では7レースを消化することが目的ではなく、良いレースを運営して欲しい。と末木委員長がおっしゃったが、結果として全レースを大変な気象の中で実施。 さて、顛末は?

1日目(10月9日)
 
風が無いのに大波とうねりに悩まされる。 風が180度も変わるものだから、スタートラインが決まらない。 救助艇動いている船ならまだしも、止まっている船でただただ耐えているのは辛いものだ。 ついに救助艇から無線が入る。 船酔いしたので帰港して良いか。 救助部が救護されて良いのだろーかと言う恥ずかしさがあったが、マグロになっている者は邪魔になるだけだから、お引き取りねがう。
 最終的には4名の犠牲者が出るが、自衛官も含まれていたことは、軍事機密だから決して漏らさない様に。
 ついでに言えば、気象予報官の天気予報が当たらず、漁師の予報が正確だったことは、更に重要な国家秘密だから、決して北朝鮮に知られないように。

 段々と風が強くなり、B海面で沈艇がちらほらと出始める。 全部で40艇以上が沈し、4艇の救助を行う。 落水も発生し、救助艇に知らせるのだが、無線がつながらず100mくらい流されて結局自力で船に戻る。
 A海面でも曳航要請があったが、救助指揮船への無線が届かず、結局運営艇で曳航したようだ。
 問題点が多く発生し、疲れ果てて初日が終わる。

2日目(10月10日)
救助指揮艇 救助指揮艇Aで救助母船「のと」に向かうと、途中で怪しい船が停泊している。 レースの邪魔になるので移動するようにハンドマイクで伝えるが、日本語が通じず、私の流暢?な英語も通じず、本部に依頼する。 カリブ海にあるブリーズと言う国の輸送船だそうだが、どう見てもアジア人ばかりが乗っており、大層怪しげだ。その後、海上保安庁の臨検を受けていたがどうなったことやら。
 岩瀬の方向より海上保安庁の船が引き波を立てながらレース海面に入ってくる。 救助艇B6がここぞとばかりに停止させ、海上保安庁は驚いたことに後進してレース海面を離れる。 リハーサル国体とは言え、お上に対して失礼しましたことを、このホームページを借りてお詫び申し上げます。
 レース前にシーホッパーを救助し、レース後に曳航する。 運営艇もトラブルを起こし、曳航する。
 うねりがまだ高く、シーホッパーの着岸が困難なので、それもサポートする。 実にいろいろな仕事が発生するものだ。

最終日(10月11日)
 昨日までと違って南風が吹き、海面は鏡の様に波が無い。 気象予報官は南から北に変わるので、風は段々と落ちる、とのことだったが、とんでもない。 「のと」に着くと風速は10mを超え、時々13mになる。救助母船のと 
 スタート前から沈艇が続出しているため、本部艇に「どうする、止めようか。」と進言するが、「是非やろう。レースをしたほうが船の位置を把握しやすい」と訳の分からない無謀な返事。 しょうが無いのでA海面の救助警戒艇を素人の多いB海面に回して補強する。
 ブローが吹くと8艇ぐらいがバタバタと沈する。 何とか起して走り出しても次のブローでまた倒れる。
 合計すると100艇以上が沈し、多くの船を救助し曳航する。
 A海面ではスナイプ級が完沈(逆さまになること)し、その上、センターボードが抜けてしまったものだから船を起せず、ついに定置網に引っかかってしまう。 発着水路部の運営艇にも随分と助けられ、何とか怪我人を出さずレースを終える事が出来た時は、もうひたすらうれしく、皆への感謝でいっぱい。
 万が一、事故が発生したら、という怖さを改めて身にしみると同時に、少しは自信もつけてリハーサル国体は終わった。
 自衛隊の皆さん、そして救助部の皆、本当にありがとう。来年の国体本番も裏方として、選手に喜んでいただけるレース運営をするとともに、楽しくつとめたいものだ。



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