Vol.545 3.Jul.2008
C
CAN通信
by fjk
CAN(通信)というのはController Area Networkのことで、自動車やロボットなどの制御に使われているネットワークです。CANは信頼性の高いネットワークとしてボッシュ社が開発し1987年に自動車用(当初はCar−−と呼ばれた)として採用されました。これは通信のノードが増えても配線や情報の共有が容易で、通信速度よりも情報の信頼性を求めたためです。現在の車には安全性や通信速度、コストなどから複数のCAN(車体制御バス、リアルタイムバス、マルチメディアバス、ファイヤリングバスなど)が搭載されています。車の電装系を改造するときはCANについても注意を払う必要があります。CANの主な特徴は、
@マルチマスタ・ブロードキャスト方式(どのノードからでも送信可能)。
A1パケットのバイト数は最大8バイト(短時間で通信できる)。
B情報の衝突はハードウェアで解決される(優先度はある)。
C配線は簡単(電源を含めても4本)。
D通信の最大速度は1Mbps。
E強力なエラー検出とエラー回避機能。
たとえば、トランスミッションで検出した車速情報はエンジン制御やパワーステアリング、スピードメータなどで利用されています。さらにナビを追加してもそのまま車速情報を利用できます。
さて、CANはこのように便利で、これを使いこなすための国際規格(ISO11898など)が決められ、専用のデバイス(CANトランシーバなど)が準備されています。日本では日立製作所が早くから取り組み、マイコンではH8シリーズで使うことが出来るほか、マイクロチップ社のPIC18F以上のシリーズなどでもラインアップされています。今後、小型化されたCANユニットでロボットなどの産業機械や医療機器などでの利用が進むものと考えられています。
P
ア!、パソコンから異音が
by fjk
このレポートを書いているときである。突然パソコンから、”カタン”、”コトン”という異音がした。パソコン(P4、3GHz)は正常に動いているが、気になるのですぐにシャットダウンし、ケースの中を見てみると、グラフィクメモリコントローラハブ(i845GE/PE)の放熱フィンが外れているではないか。さらに外れた原因を見てみると、フィンを固定するU字型のアンカーピンが根本から外れてケースの中に転がっていた。ハンダで固定されているはずのアンカーピンのハンダ不良であったらしい(ブランドメーカー製のMBなのに・・)。
仕方がないので、ケーブル類を全て取り外し、マザーボード(MX4GER)を取り出して、外れたアンカーを取り付け、ボードの裏側から再度ハンダ付けを行った。取り付けの折に、アンカーのマザーボードへの差し込み具合を確認すると、ピンの先端がボードの裏面まで届いておらず、アンカーが外れた原因はアンカーの差し込み不良であったらしい。ラジオペンチでアンカーを深く押し込み、ボード裏面に端子が1mm程度出るようにしてハンダ付けを行った。分解したついでに、アルコールで汚れを拭き取り、エアーでゴミを吹き飛ばして、パソコンの中のクリーニングを行った。
グラフィックボード(GX-6200/A128D)やケーブルを全て接続し、パソコンの電源を投入してみると、無事起動し、元の状態に復帰した。パソコン操作中で、異音を聞くことが出来たおかげで、すぐシャットダウンすることができたが、パソコンから離れていて異音に気づかずにいたら、放熱不足でIC(マザーボード)をダメにしていたかもしれないと思うと、ちょっと寒くなった。