筆者が長年通い続けている『おわら風の盆』。その年ごとに、感想を書きとどめていた当時の日記を、ここに
『おわら風の盆回想録』として転記してみました。  

その1その2その3 

『おわら風の盆』回想録 その1

平成2年9月1日 今年は土曜日と言うこともあって、相当の人出が有るだろうと、午後1時に十三石橋下の駐車
場に止める。とても暑い日だった。午後3時から交通規制されるのでこの駐車場には入れなくなる。町中は時間
が早いこともあり見物している人もチラホラといったところ。地元の人は夜(夕方)に備えて昼寝の時間だろう。坂
を登って『おわら会館』で一休みすることにした。(涼しい!)さすがにここは、観光客のコースに入っているらしく
団体客が多い。

2時から踊り方教室が始まり、会場は一杯。やはり本場の人が教える踊りは、意味やポイントに説得力がありよ
わかる。 4時ごろ会館を出て、町へでる。町流しは3時からすでに始まっているはずだが、よくわからない。そ
にしてもすごく人が多い。

4時半、上新町の城岸商店前へ行く。5時からKNBの『スーパーテレビ』の中継が、職場の関係者が集まると言
ことで。おかげでTVにバッチリ写ってしまう。この年のイメージポスターのモデルが東町の長谷川さんで、イン
タビ
ュウーが有ったりして。

お客は増える一方、7時から野外演舞場で始まる競演会の関係で東町付近は大混乱。
観光客は町流しは何処かと右往左往。私にも何人からも訪ねられる。あちらこちらで、町外からの愛好者が地
や踊り手を送り込んで来てはいるが、余りにも見物人が多すぎて踊れる状況にならない。競演会が終わって
も地
元の町内の人が出てこれない。観光客は時間でスケジュールされているので、バスへの集合時間が決め
られて
いる。

野外演舞場に入れず、町流しや輪踊りさえも見られなかった人が何人もいただろう。大阪から来たという老婦人
にも『来年、前夜祭にゆっくりおわらムードを楽しまれたらどうですか、8月20日から毎晩各町内で歌や踊りがあ
るんですよ。』とアドバイスした。 10時過ぎ上新町の大輪踊り会場は超満員、踊る人と、行き交う人でゴチャゴ
ャどうしても輪の中を歩いてしまう、観光客。歌の途中に地方からの再三の注意お願いも効き目無しの感、あ
だけは、雰囲気が壊れてしまっていただけません。 私も輪の中に入り踊りを楽しんだが、人が多くて暑い。

一昨
年は雨にたたられ、昨年は、猛暑。といってもどうやらあれは人の熱がほとんどだったようで、時間がたつ
につれ
涼しくようやく風の盆らしくなってきたなあと感じたのは11時半を過ぎた頃だったろうか。とにかく各町内
を回って
楽しみ、家についたのは2日の午前2時ごろだった。今夜(2日)も行くぞーと思いつつ、眠りにつく。

                            
   慢性のおわら病患者  

 


 『おわら風の盆』回想録 その2

 9月2日 眠い。10時頃起きる。昨夜の疲れも有るが、好きなおわらには叶わない。昨日は15万人以上の
出だったとか。これはムチャクチャの感じ。まさに人で疲れたようなものだった。今日は日曜日ということを察
し、
昨日より混雑したらマズイと思い早めに昼飯を食べて(家族はあきらめ顔)、午後0時半に十三石橋下の駐
車場
に止める。 きょうも日差しが強く暑い。坂を登って行くだけで汗だらけの感じ。すでに見学している人もい
るが、
昼間の八尾は暇でしょうがない。かといって、3時以降は交通規制で車は入れず、私のような深夜にしか
帰らない
キチガイは足の確保が肝心、人は頼れない。テナワケデ、こんな時間からどうしても来るしかないので
あります。

もっとも地元のひとと同じように、どこかの木陰(城ケ山公園とか)で昼寝を暗くなるまでしてればいいのですが。

(常々どうして八尾に親戚が無いのかなあと思ってしまう)


 余りの暑さにくじけて今日も『おわら会館』に入ってしまう。(ほんと涼しい)ここで時間つぶしするしかない。
ロビ
ーではおわら踊りのビデオに見入り、真似ている人、曳き山を見学しているひと、ウトウト寝ている人、
などなどい
ろいろ。

ただデカイ声で大阪弁が飛び交いだしたので、八尾の雰囲気に浸っている私としては、やりきれなくなり会館を
とにしました。人も次第に多くなってきて、ざわめき出した感があり、私は早めに夕飯と思い東町で寿司弁当
を買
い込み、誰もいない諏訪神社の境内で諏訪町通りを行き交う人や、時々流れてくる各町内の町流しを聞き
ながら
、ビール片手に寿司を頬張っていました。6時過ぎだったか諏訪町通りを歩いていたところで突然の雷鳴。
物凄
い雨、八尾ではよくある、山間部に多い、大気の不安定による一時的通り雨と思うになかなかこれが、止ま
ない。

通りの軒づたいで止むのをひたすら待つがだめ。諏訪町の鍋田邸の玄関さきで雨をしのぐこと約40分。ようや
上がり一変した八尾といった感じ。人で熱っせられた町を雨降らせて地(方)固めたよう。これで今夜のおわら
一層盛り上がると思った次第。嬉しくなってしまう。7時過ぎから『今町』の踊り場で踊る。踊り手が少ないが、
次第
に人垣が出来る。

町流しや踊りを見ようと、捜し回っている人が多い証拠だ。『やってる、やってる』の声が聞こえ、通りが埋まって
まう。

一時間程して場所を変えようと思ったが、下る(下新町方向)気にはとてもなれない。(混んでいるだろうから)又
上り、東町の踊り場付近へ行ったが、ここは相変わらず混雑のメインストリート。その後9時過ぎから上新町の
り場で12時迄踊り、鏡町、西町を抜けて下新町へ。ここはいつも遅くまで踊り場が賑わっているから有り難い。

踊りを何とか覚えようと熱心な関西系のオバハングループ。小生が急遽そこでレッスン開始。だいぶやったん
すが、生徒が悪かったようで・・・踊り疲れて、帰ってきたのが、またまた3日の午前2時過ぎ。ううううー今日
は月
曜日、仕事だぜー。。。。早帰りして今夜もいくぞー。

  おわら病慢性患者  

  『おわら風の盆』回想録 その3

 9月3日 眠い目をこすりながら、出勤である。サラリーマンゆえ仕方がない。通勤先までは車で20Km、
40分
ぐらいだ。日中は段取り良く仕事をこなして、夜に備えなければならない。この日はアクシデントも無く
5時半すぎ
に職場を出て八尾へ直行する。途中のコンビニで晩飯がわりのパンなどを買い込み食べながら
行く。

7時から交通規制が始まるのでそれまでに、いつもの駐車場へ入れる。6時40分だった。


  
おわら病慢性患者