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廊下に出て次の教室へ行こうとした時、廊下に大きなマスクをした女性が立っていた。 「私、きれい?」 びくっと7班の3人の体が硬直した。最初に聞いた赤いマントの声とこの女の声には何か共通するものがある。 声はまったく似ていないがそれでも感じてしまう、そう、それはつまり...。 「人は、なにを以て美しいと感じるのか、まずはそこから話しをしてみませんか。あなたがそのように人にご自身の外見を尋ねるという行為から示されることにおいての俺の考えとしては、あなたはには多少の対人恐怖症の気があるのではないかと言うことです。そもそも対人恐怖症というのは総称で呼ばれるもので、神経症とは言えいくつもの症例があり、その中でも外見を気にしてしまうという事をふまえた上であげられるものとしてはまず、」 それから、イルカの教師たる長い長い論説は、30分を越した。 「と、言うわけで、大丈夫です。木の葉には優秀な医療忍がいるんですよ。整形なんておちゃのこさいさいです。よろしければご案内しますよ。こんな暗いアカデミーになんていないで病院に行きましょう。怖かったらこの任務が終わったらでよければ俺、付き添いしますよ。」 にこにこと話しかけるイルカに女は無表情だった。固唾を呑んで見守る3人。 「きっとあの傷のせいで辛い目に遭ってきたんだろうなあ。ちゃんと病院に行ってくれればいいんだけど。きっと心の傷が深くて人に理解してもらいたくて仕方なかったんだな。こんなひとけのないアカデミーに来てまで自分の姿を肯定してもらいたかったなんて。女心は複雑なんだなあ。」 確かに哀しげな話しにも聞こえるが、でもどんなに考えたってあれは人間じゃなかったよ!?大体なんでアカデミーに自分の容姿を尋ねに来るんだ!!人見知りだとか対人恐怖症だとかそれ以前の問題じゃあないのか? |