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そして、とうとう見回りは終局を迎えた。3階の見回りを終え、一同は階段を下りていた。 「しかし結構不法侵入者、いたなあ。もうちょっと警備を強化するよう火影様に言わないとな。」 イルカは難しい顔をしていたが警備を強化しても残念ながら現状は変わらないだろうと7班の子どもたちは理解していた。 「ま、今夜のことを報告して今日はもう帰るか。明日にでも甘栗甘で待ち合わせするか。何時くらいがいいなあ?」 のほほんとしたイルカの言葉にサクラがじゃあ、と口を開きかけた時、その音は聞こえてきた。今降りてきた階段の上からだ。 「き、きゃあーーーっ!!」 サクラが恐怖に叫び声をあげる。その声が合図になったかのように、ガサガサガサ、と女が階段をはいずってこちらに向かってくる。あのカリカリ言っていた異様な音を発しながらゆっくりと獲物に近づく捕食者のようにやってくる。 「なんてことだ、アカデミーにまで現れるとは。」 イルカが憎々しげな言葉を吐き出すと、ナルトがぎょっとしてイルカの顔をまじまじと見た。 「い、イルカ先生、あれがなんだか知ってんの?」 ナルトが歯の噛み合わない口で言うと、イルカは重々しく頷いた。 「サクラには刺激が強すぎたようだな。ナルト、傍についてやれ。サスケ、火遁は得意だったな。」 え、火遁?なんで今火遁なの?と7班全員は思った。 「一気にいくぞ。俺の後に続いてやるんだ。いいなっ!」 心強くもそう言い切るイルカに余計な質問をする暇もなく、サスケはやや強ばった顔で頷いた。 そしてもうすぐ傍までそれ、がやってきた時、イルカは印を結んだ。虎の印だ。 「火遁、豪火球の術っ!!」 そう言ってイルカはそれに向かって炎を吹き付けた。 「あ、あの、イルカ先生、あれの正体、知ってたみたいな口ぶりだったけど、知ってるの?」 サクラが恐る恐る聞くと、イルカは少し申し訳なさそうに苦笑した。 「サクラだって一度は見たことあるだろ?」 いや、ないって、と激しく否定するサクラ。 「まあ、あんだけまとまってる所を見るのははじめてだろうな。かく言う俺だってはじめて見たよ、ゴキブリの集団移動なんて。」 いや違うからっ!明らかに女だったってっ!!絶対あれって違うってっ!! 「教員の中にはさ、やっぱり机の中にお菓子とか、隠し持ってる奴もいるんだよ。夏だから繁殖するんだろうな。今度事務にゴキブリ○イ○イの用度申請出しとこうかな。それとも○ルサンみたいなガスタイプの方が効き目があるのかな?○ポナは薬局で印鑑出さないと買えないからちょっと面倒だしなあ。ナルトは何がいいと思う?」 一仕事終えました、と言わんばかりににっかりと笑ったイルカにナルトは○ルサンがいいってばよ、と力無く言ったのだった。
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