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『VS(バーサス)』――――― 【彼方から…】こぼれ話(汗)
そこは、東京であって東京でない【東京】のどこか。
さらに謎な洞窟の中だったり………
『ねえ、きょうはこのくらいにしといたら?。』
「やだ!。まだめぼしい符を一枚もゲットしてないもん。京一とは言わないから、せめて紅葉くらいは欲しい。」
『それって、ウワキっていわないの?。それもともフタマタ??。』
「こんなペラペラな符でどうやって浮気するんだ馬鹿モノ!!(怒)。いいから大人しく符の管理でもしてろ!。」
と、言葉と一緒にさっきの戦利品をピカに向かって投げつける。
『ぶー(ムクレ)。ひとづかいのあらいの。』
ふん。疲れもしない謎の光る物体Xの分際で生意気な。
ついでに、誰が浮気だってぇぇ(怒)。《アジア一のラブラブな関係》で、こんなにアイツ一筋のオレに向かって無礼千万にも程がある。
しかも、二股だぁ。お前、今オレに実体があったら、【秘拳コンボ】三連発だぞ。
「今第一に優先すべきは、修行と戦力充実。実体が無い所為で、折角この【封印窟】の中なら眠くも無けりゃお腹も減らないんだから、やれる時にやっとくんだ。いきなり俊に勧請されて、相手が俺でも梃子摺る強い【邪気】だったらどうすんだ?。こないだのアカガネ戦は、ちょっとピンチだったんだぞ(符の出が悪くてな)。」
そうなんだよなあ。案の定っていうか、訳のわからん【邪気】を撒き散らす敵さんたちは、だんだんと強くなってきてる。
一応は、まだまだ余裕のある展開に持ち込んでられるからいいようなものの、強い【邪気】相手に満足に戦えるのがオレだけである以上(勧請の他にはちょっとした法術符が使えるだけの俊と、邪気の感知&封印専門の伊涼ちゃんしか仲間にいないんだもん。それが不満ってわけじゃないんだけさ)、当面の間はオレが一人で頑張るしかない(お前、どうせ役立たずなんだもん)。
よって、この《旧校舎》の氏神様専用版ともいうべき《封印窟》は、てっとり早い実力アップに最適な場なのである。っていうか、閻羅の爺ちゃんに「しっかり修行しろ!」って言われてる感じだ。
《習うより慣れろ》っていう言葉が骨身にしみる今日この頃なオレなのだ。
なんせ、こっちの《如月骨董品店》ときたら、流石にパチモノらしく全然役立たずなんだもん。ロクな符置いてないし。翡翠モドキは愛想悪いし。お茶の一杯もご馳走してくんないしさ。
(それにしても、自分の《家》の中にこんなパチモンの骨董品店(ロクな在庫なし)とロクデモないメンツばっかりの訓練所を常備してる閻羅の爺ちゃんってば、一体どういう趣味してんだ?)
と言う訳で、こっちにきてからのオレは、この祠の中にいる限り《封印窟》の中でどっかで見たような顔のヤツ等を薙ぎ倒しつつ、レベルアップ&戦力(符)の充実に勤しんでいるんである。(筆者注:経験値は入りません(笑))
うーん。もうちょっと頑張ろ。やっぱ、【氣】属性の京一が欲しいもん。
(またまた筆者注:これ実話。太極図の京一欲しさに延々《封印窟》に潜り続けたが、手に入ったのは実に三巡り目あった)
『あーあ(ためいき)。そのセリフだけきくと、ただの《しんそくのけんし》コレクターじゃん。あなたって、ほんとに《うじがみ》のじかくあるの?。』
「喧しい!!。オマケは黙って符の管理でもしてろって言ったろーが。行くぞ、次の階!。」
さーて、今度は誰だ?。《死人使い》と《退廃の詩人》はちょっとてこづるから遠慮したいなあ。《最後の侠客》あたりだと面白い勝負ができるんだけど……。
――――――――なーんて思いながら次の階に足を踏み入れたら……
『よお、ひーちゃん。』
―――――――――――― へっ??!!。
オレの目の前に忽然と出現したのは、毎度おなじみな真神学園の改造単ラン。触り心地良さそうな天然モノの赤茶色の髪。明るい金茶色の瞳。そして、これ以上は無いっていうくらいの自己主張な、手に持った剥き出しの木刀。
この《東京》で、こんな異空間で聞けるはずの無い声。懐かしくて愛おしい姿。
二人といないオレの《相棒》で、そして……。
「京一っっっっっっ!!!!!!!!!。」
その名を叫んで、その時オレは全部忘れた。氏神も【邪気】も俊も伊涼ちゃんも、頭の中から全部消えた。
涙が出そうになるのを懸命に堪えた。足が勝手に動いた。
ただ駆け寄って、その身に縋り付こうとして……。
スカッッ☆
―――――――――――――――― あっさりすり抜けた(汗)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(爆汗)
『はずかいしなあ、もう。ここがどこだかわすれたの?。』
りゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるる(涙)。
そうでした。つまり、この京一も今までオレが散々ボコってきた相手と同じ、強い【念】の投影みたいなもんで…。限りなく本物に近いパチモノってことなんだな。
『さっ、相手になってやるぜ、ひーちゃん。』
オレの手と身体をすり抜けさせたままの状態で、まったく頓着することなく符を取り出し、木刀と共に構えを取る京一(モドキ)。
みゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるる(爆涙)
『んで、あっちはやるキまんまんだけど…。やるの?、やんないの?。はい、符。』
こっちも頓着なしに、ひょいっと符をオレに差し出すピカ。
「…………やる。」
そうだよなあ。やんないとこの先に進めないし。
それに………。こっちの京一の負け台詞に興味あるし♪(負ける気ゼロ)
よぉ――っし。立ち直ったぞ。ヤッちゃうもんね。
「いっくぞぉぉぉ♪。」
「いくぜ!!。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――――――――― 負けた。
くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(悔)。
流石に腐ってもオレの《相棒》。モドキでも強かった。
《神速の剣士》の名に恥じない展開の早い攻め。こっちの友好そうな人物符が場に出る前に、耐久力が低くても攻撃力とスピードのある符で畳み掛けられる。
アン子ちゃんで猫を潰され、雪乃ちゃんでこっちの体力をガシガシ削られる上に、更にオレの知らない木刀持った女の子やさやかちゃんで攻撃力を上げてくる。
ミサちゃんで呪われると目も当てられないし。芙蓉ちゃんはガンガン復活してきて盾になっているし。こっちの能力まで下げちゃうのまでいるし。
トドメに、《神速の剣士》本人に《貫く拳》をつけられると……。
って、んんんんんっ?????????!!!!!!。
アン子ちゃんに葵ちゃんに雪乃ちゃんにさやかちゃん。ミサちゃん、舞子ちゃん、芙蓉ちゃん。たしか、マリア先生もいたよな。そんで、さらにオレの知らない木刀持った可愛い女の子に、お玉を持ったいかにも家庭的な大人しそうな女の子。
本人以外で出してきたのって、可愛い女の子か綺麗なオネーサンばっかり………。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ムカッ☆
「ふふふふふふふふふ………。そうか、こっちに来る前は《あんなこと》言ってたくせに、やっぱりオレ以外の女の子が好きだったのか。そうだよな。お前、オネーチャンが好きだもんな。そんで、オレは可愛い女の子でも綺麗なオネーチャンでもないもんな。ふふふふふふ……。」
『……えーっと(あせ)。こえがとってもコワイんですけど…。その……まけたのはハジメテってわけじゃないしさ……。』
「ふははははははははは………。」
『あ、あのさ……(たきあせ)。』
自分の声が地の底から這い上がってくるモノになるのがわかる。
そう、アイツ(モドキ)の手持ちは女の子ばっかり(法術符までだぞ)。
しーかーも、その中にオレの符(龍の伝承者・女の子ver.)は影も形も無かった。
たか子センセでさえいたのにぃっっ★!!!!。
すっげえムカついたぞ。なんか許せん。いや、絶対に許せん!!。たとえ、モドキの所業でも!!!!!(怒)。
「ピカ!!。」
『は、はいっ!!(怯)』
「速攻でリターンマッチだ。ついては、陣立ての組み直し(符の編集のコト)。そんで、その中から《神速の剣士》4枚を全部外せ!。」
『え゛ぇっっっっ???!!。』
ふん。あったりまえだろうが。なにを驚く。
「そんで《猛き巫女》と《静かなる巫女》と《聖女》も外す。代わりに、《格闘家》と《忍者》と《暗殺者》を各四枚づつにする。《双子の兄弟》と《護人》もあるだけ入れる。回復は《騎士》があれば問題無い。」
猫も四枚に増やしてっと(たしかメフィストって雄だったよな)。ついでに、秘蔵のお師匠様'Sもっと♪。
『それって、か〜な〜り〜ロコツなジンダテでは……(あせ)。』
「ふん。今余計な口出しをすると、お前の命の保証はないぞ。」
オレ的に、今は寛大な気分にはなれないんだかんな。
第一、 これくらい当然だ。あっちがその気ならこっちにも対抗する権利がある。
絶対に、目にモノみせてやる!!。
幸いここまでの成果で、《神速の剣士》以外の符は性能の良い物が結構揃ってきてるのだ(AP高い奴がおおいんだけどな)。
可愛い女の子侍らせてニヘニヘしてる暇があるんなら、こっちの頼りになる男友達にその性根を鍛え直して貰うがいいぞ、《神速の剣士》モドキ!!。
『ねえ、なんかホンライのモクテキをわすれてない??。』
「んなもん、今は忘れた(キッパリ)。」
『あううううううううううう(げきあせ)。』
だから、ぶんぶん飛び回るな、鬱陶しい!。
「あっ、それから、オレはあの《神速の剣士》モドキが『マイッタ。御免なさい。他の女の子ばっかり侍らすのは申しません(涙)。』って言って詫びを入れて、あの符の中に《龍の伝承者》(オレ)を入れるまでは、俊が呼んでも出て行かないからな。その間はお前が代理でなんとかしておけ!。」
『はうううううううううう(なみだ)。そんな、ムチャな!!。』
「無茶でもなんでも、ヤレ!!。大丈夫、伊涼ちゃんなら解ってくれるから。」
オレたち、友達だもん。(←矢村はいいのか?!)
『うわあああああああああああああん。だからイヤだったんだよぉぉ(なき)。』
「どやかましいぃぃ!!!。…ほら、とっとと行くぞ。詫び入れしてくるまで何度だってやってやる!!。無制限一本勝負!!!。」
『へへっ♪。いつでも相手になってやるぜ、ひーちゃん。』
「後で吠え面かくなよ。ヒイヒイいわせてやるかんな!(ビシッ)。」
『だううううううううううう(ばくるい)。おれ、こんなセイカツもういやだぁぁ。』
だから、喧しいと言ってるんだ(怒)。
そうして、結局オレは《神速の剣士》モドキを打ち負かす事はできても、詫びを入れさせることも、アイツの手持ちの符の中に《龍の伝承者》を入れさせる事もできなかった。
(その前に邪魔が入ったのだ。あの禿げ鷲憑きのクソガキがみんな悪い)
きいいいいいいいいいいいいいいいいいいっっ、悔しいぃぃぃぃ★。
ちなみに、その後こっちの《東京》の揉め事を全部解決して本来の《東京》に戻ってきたオレが(実はとんでもないオマケがついてきちゃったんだけさ)、目覚めた後にどれくらい本物の《神速の剣士》に八つ当たりしたのかは、また別の話である。
(だって、その後何度遣り合っても、やっぱり女の子ばっかり侍らせてたんだもん)
「わあああああああ(焦)。ひーちゃん、何が何だかわかんねえけど、勘弁!!。」
「うきゅ。問答無用ぉぉぉぉ!!!!。」
――――――――――――――――――おはり。
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