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 利用者理解と接遇・介助Ⅲ

 乗降にかかる接遇・介助の方法
 接遇とは、高齢および障害のある利用者から派生する様々なニーズに気づき、健常者の乗客と同等に接し、理解と尊厳をもって対応することである。介助とは、利用者が希望する様々な援助に対して、必要に応じて対処することである。具体的には、例えば、車いすを押して歩道の段差を超える、視覚に障害のある利用者に対して方向を音読で伝える、聴覚に障害のある利用者に行先の案内すること等、円滑な移動のお手伝いをすることである。
 高齢者や障害者は、病気や障害により、健常者とはちがったストレスを抱えている。そうした利用者を受け止め、気持ちよく利用していただけるよう接遇・介助を行っていくことが必要である。
 様々な障害などを抱えた利用者にとっても、それぞれの意思や感情を持つ生活があり、同じ社会の構成員として、運転者は利用者の人格を尊重し、対応していくことが必要である。利用者に対しては、誠意を持って、分かり易く、相手の顔を見て接することを基本とし、丁寧な言葉遣いを心掛ける。
 利用者の残存機能の維持向上を目指し、利用者が自らの判断で、自主的に行動できるよう、通常より時間がかかっても、安全面での配慮が必要な場合を除き、手を差し伸べることは必要な範囲にとどめるよう心掛ける。
 利用者の障害等は様々であり、また同じ人でも治療や症状の変化がある。利用者がどのような介助が必要であるか、その場で理解し、ニーズに応じたサービス提供を行うことが必要である。
 サービスを提供する上で、利用者のプライバシーに関することを知ることも多くあるが、サービス提供に影響しない限り、プライバシーに関する質問は避けるようにする。
 利用にあたって、事前予約がある場合には、利用者の障害の程度や、介助内容について確認して置く。必要に応じて車いすやスライディングボード、ひざ掛け、コミュニケーションボード等、利用者にとって快適な移動介助が行えるよう必要な福祉用具の準備を行う。事前予約がない場合は、その場で障害の程度や介助内容を確認せざるを得ない。本人に確認し、自己の介助技術では対応がとれない場合には、他のケア輸送士に速やかに交代してもらう。どうしても事業所で対応することができない場合には、利用者に丁寧に説明してお断りせざるを得ない場合もある。
 トイレや休憩など、移動距離が長くなる場合には、走行中にどのようなことに配慮してほしいか出発前に確認しておく。

1.肢体不自由者の介助
 移動時に使う杖、歩行者、車いすなど福祉機器の取り扱いについて理解しておくことが必要である。また、利用者それぞれに必要な介助のあり方を確認しておかなければならない。長距離運行の場合には、時々腰をずらすなどして、うっ血や褥瘡部位に注意しなければならない。
 肢体不自由者を安全に介助するためには、専門的な知識の習得が必要である。安全なケア輸送を行うためには、福祉関係の資格を積極的に所得することが求められる。

                               障害の程度及び部位による介助のあり方 
 義肢等の使用者 ・体重がかけられない姿勢のときに注意する必要がある
・関節を曲げたままの長時間の移動には配慮が必要
 脳血管障害による片麻痺の人 ・麻痺側の介助について利用者に確認する
・体温調節ができない人などもいることから、ひざかけ等を用意しておくことが望まれる
 脳性麻痺(四肢麻痺)の人 ・言語障害を伴う場合が多くあり、コミュニケーションをゆっくり行うとともに、座席への着席時やシートベルトの装着時の配慮が必要
 リウマチの人 ・骨が弱くなっていたり、関節が曲がらないなどの場合が多く、着席時やシートベルト装着時の配慮が必要
・関節を曲げるときには痛みが伴っていることに配慮が必要

乗用車に乗る際の介助方法 
車いすの場合は、車体に近づけてから、立ち上がります
介助者は次のことに注意して介助を行います。
被介助者がドア側に倒れないように気をつける
被介助者が座席にお尻を乗せた際、座りが浅くズレ落ちないように気をつける
被介助者がドアの一部を持つなどした際、ドアが車体側に流れてこないように身体でストップできるように気をつける
 
 介助者は被介助者が車体(車内)の持ちやすい(触りやすい)
部分に手をかけられるように、必要に応じて介助します
 
 介助者は被介助者の右足から車内に乗せるように声かけなど
をします
 
 右足を乗せた後、座席にお尻を乗せます。
※車高の低い車であれば、右足を乗せるのではなく、車いすから
立ち上がった後、やや後ろを向くようにお尻から座席に座るのも
良いでしょう
 
 介助者は座席にお尻がどの程度乗っているかを確認します
座りが浅いようなら、お尻を内側に少しずらしてから左足を乗せます。
<お尻のずらし方>
介助者は被介助者のお尻を両手で下からすくうように持ってずらします
この時、介助者が腰痛にならないためにも、片足(写真では左足)を車内に乗せてから行うことが大切です
被介助者の両足が車内に乗った後にずらす場合は、介助者が車内に入ることができれば、乗り込んでから行います
 
 次に左足を車内に乗せます。
両足が乗ったのを確認した後、お尻を座席中央になるようにずら
します
 

 (左)片麻痺の人が乗用車に乗る際の介助方法
車いすを車体に近づけて着けます
車いすは、被介助者が立ち上がった際に(車の)座席にお尻が着地できる程度にします
 
介助者は被介助者の左側(麻痺側)に立ちます。
介助者は被介助者の車体に近いほうの足(写真では右足/進行方向側の足)
を半歩前に出します
 
 介助者は右手を後方から被介助者左脇の下に差し入れます
介助者は左手を被介助者の麻痺側の手がブラブラしないよう、手の上から軽く支えます。
拘縮等ある場合は、無理に伸ばす必要はありません
 
 介助者は被介助者が前傾姿勢をとりながら立ち上がれるように声をかけます
介助者は被介助者のお尻が持ち上がってきたら、被介助者に座席等に手を着く
(つかむ)ように声をかけます
 
 介助者は被介助者が座席等に手を着いたことを確認して、(車の)座席の
ほうに身体の向きを変えるように着地します
 
 (車の)座席にお尻が着いたら、座りが浅くないかを確認します。座りが浅いと
この後に足を車内に入れた際に、お尻がズレ落ちる可能性があります。
介助者は被介助者の健側(右足)の足を車内に入れるよう、必要に応じて声をかけます
 
 介助者は被介助者の麻痺足(左足)を車内に入れます
この状態では座位が安定しないので、お尻の位置が座席の中央にくるように介助します
 

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