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四、基礎的な接遇技術及び介助技術
介護の基本 Ⅱ
無意識に行っている「動作の決まり」を理解すれば、なぜできないかがわかる

 人の動作の仕組みを知る

 ふだん、何気なく行う生活行為(トイレに行く、食事をするなど)は、様々な動作の組み合わせで成り立っています。この動作の仕組みを知ることが、“何ができないのか”“なぜできないのか”を知る第一歩になります。人の動作には、“決まり(法則)”があります。たとえば、立ちあがるという動作を行う際には、重心を前へ移動しようとするなど、だれでも無意識に決まりに従おうとします。この決まりが理解できれば、“できるようにするには何が必要か”が見えてきます。

 人間の動作は“重心の移動”が関係している 
 人が安定した姿勢を保っている場合、重心は頭の頂点から真下に向かっています。このとき、重心は必ず支持基底面(身体といす、ベッドが接している部分と接地している足を枠線で囲んだ面)の中に位置することになります。
 この状態から別の姿勢に移る(座った状態から立った状態に移る、など)には、新たにつくられた支持基底面の中に重心をおさめることが必要です。その際には、重心を上下に移動させるだけでなく、前後左右にも移動させなければなりません。この上下と前後左右の移動を効率よく行うことが求められるわけです。
 実際に、介助者自身が、座った姿勢から立ちあがってみてください。すると、無意識におじぎをしながら、前へ重心を移動しようとするはずです。重心を変えずに真上へ立ちあがることはできません。要介護者の動作もまったく同じ仕組みで成り立っていることを、まず理解しましょう。
 
 
 “重心移動”しやすい姿勢をつくることが、自立への第一歩
 もう一度、立ちあがる動作を試してみましょう。立ちあがる際には、“おじぎをする”だけでなく、①両足をいすの下に引く、②足の裏の前のほうへ重心をかける、はずです。
 なぜ、足を引いて、おじぎをしようとするのでしょうか。座っているときは、お尻に重心がありますが、立ちあがったとき、重心は足の裏にかかります。立ちあがるためには、お尻から足へ“重心を移動”させなければなりません。足を前のほうにおいたまま重心を移動させようとすれば、長い距離を移動しなければならず、大変な力を必要とすることになります。
 もし、重心移動の距離を短くしようと思えば、“座った状態で重心がかかっている場所(お尻)”の近くまで足を引きつけておけばいいわけです。これなら重心を移動させる距離が短くなるので、楽に立ちあがることができます。 
  
 

 手すりにつかまる位置も大切に
 足腰や腹筋が弱っている人の場合は、どんなに重心移動距離を短くしても、重心を移動させるには相当な力が必要です。楽に重心を移動させるには、手すりや介助バーにつかまって移動をサポートすることが求められます。つかまる位置も、立ちあがったり起きあがったりしたときに、重心が移る場所(やや前方)を目安にするといいでしょう

 
動作が完了したとき、
重心より少し前の方を
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