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四、基礎的な接遇技術及び介助技術
介護の基本Ⅰ
日々の介護に目標ができれば、前向きな心が生まれてくる

「介護」をもっと前向きに

 “介護”というと、本人や家族にとって「つらくて苦しい」という思いがどうしても先に立ってしまいます。 「先が見えない」という絶望感がつらさ、苦しさを際立たせているのでしょう。もし、日々の介護で、本人が自分でできることを少しずつでも増やしていけたなら……そうした“目標”があれば、本人や家族の心は前向きになるはずです。前向きになれば、心に余裕ができ、目の前のつらさや苦しさはずっと和らぐはずです。この流れを大切にしたいものです。

  “できること”を奪うとかえって負担が重くなる
 介護というと、「できないことはあきらめて、何から何までやってあげる」というイメージを持つ人が多いようです。そのため、“できること”にまで手を出してしまうケースが目立ちます。 たとえば、トイレが間に合わずに失禁してしまうと、すぐに“おむつ”をはかせます。おむつに頼り切ると、“トイレに連れていけば自力で排泄(はいせつ)できる”ことを無視し、そのまま寝かせきりにさせてしまいがちです。つまり、“本人ができること”まで奪ってしまうわけです。寝かせきりにされた人は、全身の筋力が衰えます。筋力が衰えると自力で寝返りをすることが難しくなり、身体を動かさないので食欲も衰え、栄養バランスも悪くなります。
 その結果、褥瘡(じょくそう・床ずれ)ができやすくなり、最悪の場合、命にかかわるケースも起こってきます。この“寝かせきり”にすることによって重度化する悪循環を、生活不活発病(廃用症候群)といいます。実は、在宅における介助者の負担を重くしているケースの多くが、この生活不活発病なのです。
 

“寝かせきり”にすることで、本来はできたことが
できなくなり、介助の負担はさらに増えます。
  “できる・できない”を細かく見極めよう

 排泄(はいせつ)という行為ひとつをとっても、“ベッドから起きる→立ちあがる→トイレに移動する→トイレで立ち座りをする”という具合に、様々な動作から成り立っています。これらのうち、本人が“できること”は何か、“できないこと”は何かをまず見極めましょう。“トイレに行けない”ことをひとくくりにするのではなく、“○○の動作ができないためにトイレに行けないのだ”と考えるようにするわけです。すると、“できない”動作の部分だけにちょっと手を貸したり、手すりなどの手がかりを設けることで、“トイレに行く”という行為ができるようになるケースもあります。また、介助者の手などを借りながら、自分の足で立って、歩くという動作を繰り返しているうちに、徐々に筋力がついて、介助者の負担が軽くなってくる可能性もあります。
 こうして“できること”を増やしていくことが、生活不活発病を防ぎ、介護に前向きな目標をつくりだすポイントになるわけです。目標ができれば、本人も「がんばろう」という気になり、介助者にもポジティブな気持ちが生まれます。その意欲が“できること”をさらに増やそうというチャレンジ精神につながれば、介護のつらさを和らげてくれるはずです。

便器に“座る・立ちあがる”動作を介助すれば、後は自分でできることもあります。

下着のあげさげだけを手伝えばできるケースも。このように、すべてを介助するのではなく、でき
ない部分を手伝い、できる部分を増やしていくこ
とが大切です。
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