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福祉自動車の運転方法

1.利用者の視点に立った運転
 利用者が求める運転は一様ではなく利用者の状態に合わせた運転を行うことは容易ではありません。時には周囲の交通の流れと異なる運転を求められたり、急な体調の変化で予定が変わることも往々にしてあります。そのような中で私たちには輸送の安全を確保し、安心し、快適な運転が求められます。いずれにしても移動時間や車内空間は利用者本位のものである事を忘れてはいけません。

2.利用者の状態や要望に合わせて運転する
 移送中の利用者の状態は様々で、その状態に合わせた運転をすることがケア輸送の基本です。事前収集した利用者の基本情報や要望などは出発する前に再度確認します。同乗者(介助者など)がいる場合には、その方にも運転で注意することがないか確認して下さい。座位の姿勢や車いすの固定装置が安全に確実にされていることを確認します。車内温度や遮光にも注意して下さい。目的地までのコースを確認します。発車前に「移送中、何かトラブルがありましたら、ご遠慮なく申し伝え下さい」と一言添えると、利用者も安心できます。

3.利用者を見守り、コミュニケーションをとりながら運転する
 移送中に利用者の容態に変化が生じることがよくあります。周囲の交通状況に注意しながら、バックミラーを使って利用者の様子を伺います。様子がおかしい場合には声かけを行って下さい。それでも確認がとれない場合には、車両を停止し、容態(状態)を確認します。
 運転者と利用者では車内からの視界が異なります。出発・停車前、急なカーブや坂道にさしかかる前、踏切や舗装されていない場所にさしかかる前などには事前に声掛けを行います。渋滞に巻き込まれ、到着時間が遅れる場合には早めに予定時刻が遅れる旨を伝えます。ただ、注意しなければならないことは、声掛けや会話によって運転への注意が散漫になりやすい事です。交通状況や危険な場所などを通行する場合には利用者に一言断って会話を中断し運転に集中して下さい。また、利用者の中には、過剰な話しかけやプライベートな話題などを嫌がる方もいます。気持ちよく移動していただくためのコミュニケーション技術の向上が運転技術の向上の1つであると言えます。

4.走行時の注意点
 私たちが行うケア輸送は、人命輸送にほかなりません。一度の事故で他人の命を失ってしまうおそれだってあります。被害者、加害者、その家族・・・。事故1つで数多くの人々の人生に大きな悲しみを与えてしまう可能性があります。
 事故の発生場所でもっとも多いのは交差点内で全体の40%以上を占めます。一時停止、徐行といった交通規範を守り、対向車などには譲り合う心構えが必要です。車いすに座って乗車している方にとっては、固定装置だけでは車両の揺れは運転席とは比較にならないくらい大きく感じます。特にバンタイプの前後に長い車両を使用する場合には、カーブでの後部座席の左右の振れが運転席とは大きく異なることを意識して運転する事が必要です。カーブでは急ハンドルは避けスローイン・ファーストアウトを心掛けて下さい。
 走行中は車間距離を十分にとって下さい。制動距離は速度の二乗に比例して大きくなります。利用者への身体的負担を軽減するためにも急発進、急ブレーキは避け、緩やかな運転技術が求められます。
 事故原因の最も多いのは漫然、安全不確認によるものです。携帯電話を使用しながらの運転は絶対にやめましょう。利用者の安否確認をしながらの走行は大変なのですが、運転に危険を感じたときは必ず一時停止します。どうしても停止できない場合には声掛けで確認を行って下さい。
 路面の凹凸には特に注意が必要です。マンホールなどわずかな凹凸でも利用者の身体が車いすから浮き上がり、天井に頭部をぶつけたり、転倒してしまうおそれがあります。凹凸路面を通過前には「段差がありますのでご注意下さい」と利用者に声掛けを行い減速して通過します。
 1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する(ハインリッヒの法則)といわれます。ケア輸送の場合、運転以外に乗降介助も加わり、事故発生のリスクはさらに高まります。しかし、アクシデントを予測し、不安全行動と不安全状態をなくせば、事故も災害も相当数減少させることができます。
 交通事故「ゼロ」を達成するために、シートベルトの着用やヘッドレストの装着等といった基本的事項を確実に行い、日ごろからの安全運転をこころがけて下さい。
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